REVIEW >> ELECTRONICS & OPTICS | 電子・光学機器類 >> ELECTRONICS & OPTICS | 光学機器類・電子機器類
前編はこちら ↓ ↓
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●デザートカウボーイ様公式サイト
●PLxC 1-8×24販売ページ
https://desertcw6.com/products/detail.php?product_id=5353
●PLxC 1-8×24(FDEカラー)販売ページ
https://desertcw6.com/products/detail.php?product_id=7774
https://desertcw6.com/products/detail.php?product_id=5360
Pros & Cons | 一長一短
※ここはあくまで、KUSEMONO TACTICALが想定する使い方、視点から見た一長一短です。
※一長一短をわかりやすく表記しているだけであり、項目の数や内容、順番による採点評価ではありません。
優れている点 | ✓高い解像度と広い視野を中心とした素晴らしい光学性能 |
✓非常に明るく暗視装置対応も完備しているイルミネーション(2025年モデル以前及びNOVAレティクルは除く) | |
✓CQBから中~遠距離・多機能性まで備えた完成度の高いレティクル | |
✓軽くてコンパクトな外観と広い視野 | |
改善を要する点 | ✘高倍率時のアイボックスが狭い |
✘対物レンズからイルミネーションの点灯が見えやすい |
近距離における照準
さて、このLPVOはCQBにおいてはどのようなポテンシャルを見せるのか?林内にて5~30mのCQBを想定した照準を行おう。ターゲットは人間の上半身を模したUSPSAマンターゲット(縦75cm×横45cm)。
(動画は0:11から)
●視野については特に1倍時が36.8m / 100mと高価格帯含めた他社1-8倍LPVOはおろか、1-6倍LPVOと比較しても抜群に広い。
●特に1倍時のレンズの淀み無さは素晴らしいの一言であり、広い視野と合わせて美しい光景が目の前に広がる。CQBではこのレンズが視界ノイズの要因となることはまず無いだろう。
●ちなみに顔をもっと遠ざければ、Vortex – Razor HD GenII-E 1-6×24に近いベゼルレスのような縁を薄くした視界が広がる。どの倍率にしても顔を動かさなくともレンズからケラれない状態にしたい場合は概ね写真のような見え方となる。
●レティクル中央の馬蹄型サークルは、SLx 1XやGLx 1XのACSS Cyclops G2レティクルよりも少し大きめで尚且つ細くデザインされているため、CQBにおいてターゲットにあまり干渉せずにノイズになりにくい。
●余計なノイズを抑えながらも、ターゲットを無意識に中央へと誘導させるようデザインされたレティクルは素晴らしいの一言だ。外周部の太く表記されたクロスヘアが標的を速やかに中央部へ初期誘導し、中央の馬蹄形サークルレティクルが大まかに標的を中央部に固定してくれる。この点はVortex Razor HD Gen2-E 1-6やGen3 1-10のレティクルよりも使いやすい。
●このレティクルデザインのおかげで、イルミネーション無しでも優れたCQB性能を発揮できる。もちろんイルミネーションを灯せば、様々な環境下においてより素早く決定打を与えることができる。

●外周部のクロスヘアを太くしたレティクルデザインだと、同社NOVAレティクルも優れてはいるが、やはり中央にサークルを備えたこのRaptor M8やGriffin M8レティクルはより良い。
●私が長年愛用しているLeupold – VXR Patrol 1.25-4×20のFiredot SPRレティクルも外と内で厚みの異なるクロスヘアとサークルを組み合わせたデザインであり、CQBで非常に使いやすい。
●Raptor M8レティクルの馬蹄型サークルは、20~30mの距離にて人間の肩幅くらいの大きさに収まりやすいサイズだ。CQBにおける大まかな指標としても使いやすい。
●ただしFFP仕様のRaptor M8やGriffin M8のイルミネーションについては、レンズから像が半分程度ケラれると視界から消えてしまうため、あまりラフな頬付けで照準しないほうがよい。これについては、SFP仕様であるACSS NOVAレティクルであればイルミネーションはレンズの端に追いやっても見ることができる。
50メートル照準
もう少し広い場所に出て1倍率をじっくり見てみよう。ターゲットは50m先に高さ180cmで吊るした青いツナギ。(動画は2:55から)
●改めて1倍率の状態を見て思うのだが、レンズ中央から端っこまで余す所なくシャープネスが高い。それだけでなく、余計な色収差や歪みもかなり抑えられている。
●今まで見てきたLPVOで最も1倍率のクオリティが高かったVortex – Razor HD GenII-E 1-6×24と同等レベルだ。この軽さで8倍率まで伸びるLPVOにも関わらずこれは正直驚いた。ゴーストや反射に関してもこの価格帯のスコープとして見れば優秀だ。美しく広大な視野を阻害する要因をかなり排除できている。
●この距離での1倍率でも、素早く対人相手に戦うことができるレティクルデザインが役立つ。より短い距離からあまりスピードを落とすことなくターゲットを捉えることが可能だ。
日中と暗所のイルミネーションについて
次はイルミネーションを最大輝度で灯してみた。
●この日はパリッとした秋晴れであり、イルミネーションが最大でも少し弱く見えるが実際肉眼ではもう少し明るく見える。日中にダットサイトのようにCQBで使用することは可能な明るさではあるが、真夏の炎天下等では明るさはあと2~3段階上げてほしいと思うところだ。
●今までレビューしたイルミネーション付きLPVOで比べると、Vortex Strike Eagele 1-8×24やBurris – RT-6よりは明るく、OTS – CQB コンバットスコープやLeupold – VXR Patrolよりは少し暗い感じだ。
→しかし2025年モデルからは、このFFP仕様のRaptor M8とGriffin M8レティクルはVortex Razor HD GenIII 1-10×24やNightforce ATACR 1-8×24のように回析照明技術を用いたイルミネーションに変更され、炎天下でも使える抜群の明るさとなっている(ACSS Raptor G2 & ACSS Griffin G2)。回析照明は光源をほとんど拡散させずに反射させて光らせることができるため、高光度で省エネではあるが、生産コストが上がる。それ故、価格は従来モデルより少し高価な1700ドル前後になるようだ。
●個人的な好みだが、LPVOのイルミネーションはターゲットや周辺状況により集中できるドットタイプのほうが好みなため、発光させるのはシェブロンのみかシェブロンの頂点だけぽつんと光るデザインだと最高だった。まぁここは重箱の隅をつつく好みに過ぎない。
→発光面積を少なくしたほうが対物レンズ側からよりイルミネーションが見えにくくなるという利点もある。
●この点ACSS NOVAレティクルは、非常に明るくシンプルなドットイルミネーションに加え、対物レンズ側からイルミネーションをかなり見えにくくする設計が施されている。
●FFPモデルのみ、イルミネーションの1と2段階目は暗視装置用となっている。肉眼では、夜間の林内でも使える暗さで非常に良い。明るさをもう1段上げると、薄暗い室内や満月での野外使用に適した明るさとなる。夜間の偵察やパトロールに使いやすい明るさだ。
●さて、暗視装置で使用した場合は夜間の林内では少しイルミネーションが明るく感じるが、その他の状況下では悪くない明るさだ。ただし、馬蹄形サークルレティクルの発光面積と比較して、中央シェブロンの発光面積が小さいため、シェブロンで精密照準を行うのがかなり困難であり、実質的にサークルレティクルのみで大まかな照準を行うこととなる。
●それ故、1倍時では40m以下でないと対人戦闘には使いづらいし、そもそも1-8倍LPVO特有のアイボックスの狭さがあるため、ヘルメットにマウントした状態での暗視装置利用はストレスが溜まる射撃となる。このスコープと暗視装置との併用を考えるのであれば、別途暗視装置に強いダットサイトをピギーバックかオフセット装着をしたほうがいいだろう。
→同じスコープでもSLx 1XやGLx 1X等倍プリズムスコープのほうがまだ使いやすい。まぁこちらは1倍率に特化させたスコープなので同じ土俵に並べるものではないだろう。
●一方、SFPモデルで抜群の明るさのイルミネーションを持つNOVAレティクルモデルは暗視装置設定が無く、最低輝度で肉眼であっても夜間や暗所で使うのは困難な明るさである。SLx 1-6×24 NOVAやVortex Razor HD GenII-Eと同じ欠点であり残念だ。これが無ければPLxCはNOVAレティクルモデルをレビューしていた可能性が高い。
対物レンズからのイルミネーションの視認性
ちょうどよいので対物レンズ側からのイルミネーションの灯り具合を見てみよう。
●室内環境にて少し暗いぐらいの明るさに灯してはいるが、写真のようにガッツリ見える。
●これは暗視装置用途である最低輝度でも、夜間10m先から裸眼で見えてしまう。要改善であり、対人戦闘を行う上では留意すべきだ。
●逆に夜間明るくて困るほどのNOVAレティクルは、使用環境に対してかなり明るくしてもイルミネーションはほぼ見えず優秀。
100m照準
それでは距離を倍の100mに伸ばし、様々な倍率で見ていこう。(動画は4:49から)
●100mの距離であっても自然とターゲットをレンズ中央へと誘導するレティクルのおかげで、ある程度までは目標を捉えやすい。
●ただ中央のシェブロンが非常に小さいため、この倍率でこの距離では正確な照準合わせが少しやりにくく感じることはある。
●倍率を上げる前にイルミネーションを最大輝度で灯してみた。撮影時、少し逆光状態の夕暮れ時であり、イルミネーションの明るさが少し足りないのが伺える。ただし、中央シェブロンが赤色に灯っているため、イルミネーション無しの状態よりは狙いが付けやすい。
4倍率
●アイボックスは1倍時と比較して多少狭くなるものの、光学系は少しも崩れたりしておらず、1倍率同様の美しい視野が広がる。
6倍
●6倍にしてもレンズ中央から隅まで解像度はしっかりと保たれており、目立つ色収差や歪みも確認されない。実に優秀な光学設計だ。
●4倍時よりもアイボックスの狭さは多少上がるものの許容範囲内であり、スローレバーを無理なく回せる倍率でもあることから、私達は本製品の検証中、中遠距離射撃時にはよくこの倍率を使用していた。
8倍
●写真では分かりづらいが、7倍より上になってくるとレンズ外周部のシャープネスが少し緩くなってくる。ただし中央との解像感の差が大きすぎて破綻するような映像になることはないし、光量落ちもかなり少ない。他社高価格帯の8~10倍率LPVOと比較しても優秀だし、1-6倍LPVOと戦わせても良い戦いとなる。
●ここで大きく好みが分かれるのはやはり中央のシェブロンだろう。プライマリーアームズ曰く、シェブロンがあるおかげで十字線(クロスヘア)タイプのレティクルよりも無限に小さく尖る頂点での精密射撃が可能と謳うが、やはりクロスヘアやドットタイプのほうが精密射撃は簡単にできる。シェブロンにこだわりたいのであれば、シェブロンの角度をもう少し浅くするか、頂点にドットを設けて欲しいところである。
●ただ、シェブロン下段のBDCレティクル(Bullet Drop Compensator:距離による弾道落下補正)を使用する場合はそれほど問題ではないため、大きなネガにはならない。
●前編でも言ったが、7倍率・8倍率となるとアイボックスの狭さは際立ってくるため、しっかりと安定できる台や2脚等を使用しないと視界から映像がケラれてしまい、照準が難しくなる。
実弾射撃、各種訓練における使用感等
●まずはType89に載せ、300mでの射撃を実施した。前編でも述べた通り、8倍率時のアイボックスはかなり狭いため、寝撃ちによる射撃でないとすぐ像がレンズからブラックアウトするケラれる現象が起きてしまう。
●動きが無くじっくりしっかり狙える的当て精密射撃で無い限り、この程度の距離であれば6倍率で使用することを推奨する。そのほうがアイボックスに余裕が生まれ、射撃前後で素早い動作が求められる際にも迅速に初弾を叩き込める。
●もちろん不具合はこのレビューのために行った射撃や訓練では何も無い。米国DOEの連邦防衛隊が採用しただけはあるし、某Guntuber(Tactical Rifleman)は、様々なLPVOを冷凍庫に入れた後にオーブンでホカホカにし、100m先のターゲットを撃って温度差による照準のズレをチェックするテストを実施。結果、本製品は1.5cmほどのズレであり、全体的に見ても良い成績となった。
●また、この時の射撃は3~100m以下でのCQB射撃を行った後、300m先まで走り撃つという忙しい状況設定であった。この際、1倍率から8倍率にするにはパワーダイヤルを180度回転させないといけないのに対し、6倍は手の可動域でサッと無理なく回せる回転量だ。そういう意味でもじっくりと腰を据えれない慌ただしい状況下で中距離射撃は6倍率の使用が良い。
●数メートルから300m程度の距離であれば、このスコープ一つでどの距離でも射撃は容易に行いやすい。1倍時のアイボックスがもう少し広くなればより良い。
●4つのターゲットに対して行う目標変換射撃を、200m・100m・25mで実施したが、視野の広さに加えCQBと素早い捕捉が得意なレティクルの強みを存分に活かすことができる。法執行機関だけでなく、競技の分野でもこのLPVOが好まれているのも納得だ。
昼・夜間の偵察訓練
●2日間の偵察訓練を行ったが、昼間においては8倍まで伸びる倍率と、各種測距機能が非常に役立った。ザッとした距離が知りたい時はこのスコープ一つで事足りるため、レーザーレンジファインダーの使用は2回ほどしか無かった。普段使用している最大4倍率のVXR Patrol 1.25-4×20の場合ならこうはいかない。
●重量に関しては、340グラムという異常な軽さを誇るVXR Patrolにはさすがにかなわないものの、500グラム以下である本製品ならば貧弱な私の肉体でも許容範囲内であった。140グラムの重量増なので重さは少し感じるが、朝から晩まで偵察任務で持ち出してVortex Razor HD GenII-Eのように途中で放り投げたくなるようなことはなかった。CQBやマルチターゲット時にも振り回しやすい。
●夜間の偵察訓練時には、十分暗くなるイルミネーションが役立つ。裸眼での使用であるなら、暗い林内から街灯があるエリアまでイルミネーションの調整で柔軟に扱える。ただし、対物レンズからイルミネーションの明かりが見えてしまう恐れがあるため、対人戦の際には留意したほうがいい。
●暗視装置利用に関しては前述した通り限定的な使用に留まってしまう。ヘルメットにマウントするタイプの暗視装置では、イルミネーションの明るさとアイボックスの狭さが障害となりやすいため、スコープ前面に装着するクリップオンタイプの暗視装置のほうが良いだろう。
500m射撃
今回は最大500mの長距離射撃も行った。使用した銃器は18インチ銃身のAR-15系SPRを、弾薬はM855ベースのものを使用。
●マニュアル通りにBDCレティクルを用いて照準し、300mでは60~80cmほど下に着弾。調整をした後、500mでは10発中6発がマンターゲットの胸部を中心に直径40cm強ほどの集弾で命中していた。
→この際、400mラインからは少しそよ風が吹いていたため、風速5マイルとBDCハッシュマークの中間を狙って射撃を行う。
●私の腕、銃器弾薬の状態、射撃環境によって左右されることではあるが、概ねBDCレティクルはこの距離ならば実用性がありそうだ。
●アイボックスこそ狭いものの、8倍率であってもあまり破綻しない驚異的な光学性能のおかげで、距離が伸びても非常にターゲットや周囲の状況を把握しやすい点は称賛に値する。
●どのスコープにおいても言えることだが、より正確な中~遠距離射撃を行いたいのであれば、Strelok Pro等の弾道計算システムを利用すべきだ。どんな銃や弾、環境にも完璧に対応できるスコープレティクルはまだこの世に存在しない。
Conclusion | 総評 ~多数のLPVOを見て触れて~
さてPLx Compact 1-8×24のまとめを書き殴る前に、今回の私の次期LPVO選定1次試験で選んだ他製品となぜそれを落選させたのかを先に記す。その上で本製品のまとめを見ていこう。これら製品群は全て実機を見て触れている。
●Leupold – Patrol 6HD 1-6×24
PLxC 1-8×24の他にこれのみ2次試験に挑むことができた製品。私の長年の愛機であるVX-R Patrolの後継とも言える製品で、重量も軽く光学設計も悪くないが、レティクルラインナップとイルミネーションの組み合わせが悪い。せめてそれだけを改善してくれれば採用していた可能性が高かっただけに惜しい製品だ。この機種に関しては後日レビュー記事を作成する予定なのでお楽しみに。
●ディオン光学技研 March-F 1-8×24及び1-10×24 Shorty
1-8×24 ShortyはPLxC同様にアイボックスが狭いことに加え、チューブ径が前後で違うため使用できるマウントが限定される。また、レティクルも1-10と比較すると少し魅力に欠ける。一方1-10はデュアルレティクルという素晴らしい魅力があるものの、どうしても重量は増えているし、アイボックスは今回実際に比較した中でも一番狭くてCQB向けとして使用するには厳しいものがあった。ちなみに1-8×24 Shortyは陸上自衛隊も採用している製品。
●Nightforce NX8 1-8×24 F1及びAtacr 1-8×24
NX8は重量480グラムと悪くないが、アイボックスが狭く光学設計もあまり良好とは言えない。一方プロユースで屈強なNightforce Atacr 1-8×24は、アイボックスやレンズ品質は悪くないが、視野が狭いことに加えて重量も600グラム近くあり高価。この価格ならもう少し光学設計に改良を加えて欲しい。
●Leupold Mark6 1-6×20及びMark8 1.1-8×24
Mark6は今でも使えないことはないが、さすがに光学設計に古さを感じる。どちらにしろ両者ともすでに販売が終了している。
光学品質がそこまで良くなく、イルミネーションにも難があり、重量も軽いわけではない。レティクルもバリエーションを増やすか改善が必要。
レティクルや光学設計は悪くないが、PLxと比較すると他にあまり魅力を感じなかった。1-6×24の重量がもう少し軽ければ良い候補ではある。
タフなLPVOでマウント込みで600グラム台の重量は悪くないが、高い価格に見合う魅力がもう少し欲しい。
●Vortex Razor HD Gen II-E 1-6×24及び Gen III 1-10×24:こちらは過去にレビューを行っている。重量が重いこととイルミネーションの要改善に加え、1-10×24はレティクルを改善して欲しい。
こうして熟考を重ねた末に選んだのが今回のPrimary Arms – PLxC 1-8×24とLeupold – Patrol 6HD 1-6×24である。そして身も蓋もない結論を言わせてもらうと、私の次期LPVOとして両者共落選となり、結局再再再度長年使っているLeupold – VXR Patrol 1.25-4×20を継続任用することとなっている。
じゃあ今までの前後編分けたクソみたいな長文レビューは何だってんだ?時間を返せ!PLxCはゴミだってのか??という罵詈雑言が飛びネットの業火に焚べられそうだが落ち着いて聞いてほしい。
●まず最初に言わせてもらうが、PLxC 1-8×24は1-8倍LPVOの中では私にとって現時点では最高のものであると言える製品だ。名機 Vortex – Razor HD GenII-E 1-6×24と同等レベルの光学性能を持ちながらも、どれも完成度が非常に高いレティクルラインナップを揃え、イルミネーションもメリハリがあり(NOVAレティクルを除く)、品質も高い。それにも関わらず重量は480グラムと軽量であり、実に私好みの素晴らしいLPVOだ。
では何がダメだと言うのか?
●レビュー内で散々言ったことだが、アイボックスが特に高倍率を中心に狭く、イルミネーションが対物レンズから見えやすいことが大きな理由だ。
●え?これだけで落選させたの??と思われるのも無理も無い。実際他研究員からもそう言われた。実のところ、2つの欠点一つ一つが大きなネガだったわけではなく、先ほど述べた利点のほとんどが今まで使用しているLeupold – VXR Patrol 1.25-4×20に備わっており、この2つの欠点が無いことが一番の理由である。
●もちろんVXRには8倍率までカバーした倍率や、雄大で美しい光景を見せてくれる素晴らしいレンズは無い。しかし、メリハリのあるイルミネーションはあるし、使い勝手の良いレティクルも完備。それに加えて広大なアイリリーフやアイボックス、そして340グラムという冗談のような軽量ボディは今回取っ替え引っ替えして比較したどのLPVOにも無いアドバンテージがある。これは敵方奥深くまで潜る偵察任務から、対テロ・ゲリラを想定した市街地戦まで様々な状況が付与される私にとって、相変わらずのベストな光学照準器のようだ。
●まぁ私の趣味嗜好は置いても、今回の選定試験で1-8倍、1-10倍率の高倍率LPVOは光学系や重量等どこかしら無理をしており妥協が伴う。その法則はこの令和の時代に多くのお金を注ぎ込んでも10数年前と変わらないことがわかった。
●PLxCの「C」はCompact(コンパクト)の「C」。だが、Compromise(妥協)の「C」でもあると某Guntuber(C_DOES)はこの製品を気に入って所持し続けながらもそう言っていた。それに加えてCompensation(代償)の「C」でもあると思う。
●懐中電灯が無駄に明るいルーメン数やカンデラ数を求めるのと同じように、LPVOも高倍率競争になりかけている節がある。軽くて使い勝手の良い光学性能との両立を求めるのであれば、1-4倍、1-6倍の倍率が今でも実現しやすいことに変わりない。
●もし、「PLx 1-6」があれば私はすぐにでも飛びついていただろう。プライマリーアームズはそれを作れるだけの技術は十分あると今回の1-8をレビューしていると確信が持てる。同じことを考えているユーザーはSNSを見る限りだと多いようだ。
●現時点で1-6、1-8、1-10倍のスコープで何か選べと言われたら私は少々悩むだろうが高い確率でこのPLxC 1-8×24を選ぶと思う。落選させたとは言え、この軽さに光学性能、レティクルの魅力は素晴らしいものだ。現在Vortex – Razor HD GenII-E 1-6×24や1-10×24を所持している他研究員もPLxCを見て揺らいでる。あとは高倍率時のアイボックスの狭さ等をどういなして許容できるか次第だ。
※本製品の購入等に協力してくださいました、デザートカウボーイ様に感謝いたします。本製品はデザートカウボーイ様にて購入可能です。お財布に嬉しい特価販売だけでなく、海外製品で不安になる保証や修理の対応もしてくださります!
●デザートカウボーイ様公式サイト
●PLxC 1-8×24販売ページ
https://desertcw6.com/products/detail.php?product_id=5353
●PLxC 1-8×24(FDEカラー)販売ページ
https://desertcw6.com/products/detail.php?product_id=7774
https://desertcw6.com/products/detail.php?product_id=5360