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ジャンル:キャリーケース、バックパック

バックパックにもボストンバッグにもなれるキャリーケース

検証人数:2人

執筆時期:2025年6月

SPECS | 性能諸元(公式)

メーカー名・国(メーカー国・生産国) OSPREY(アメリカ合衆国・ベトナム社会主義共和国)
サイズ(立てた状態で高さx幅x奥行き) 710×440×350mm
重量 3.71kg
容量 60リットル
ボディ素材 460D 高強度ナイロン(メイン)、500D 高強度ナイロン(底面)
カラー KOSERET GREEN、BLACK(本製品)
価格(購入価格) 395ドル(2020年、28000円で購入)

Pros & Cons | 一長一短

※ここはあくまで、KUSEMONO TACTICALが想定する使い方、視点から見た一長一短です。

※一長一短をわかりやすく表記しているだけであり、項目の数や内容、順番による採点評価ではありません。

優れている点 容量に合わせて簡単に圧縮や拡張ができる
  フロント部分にあるベルトやハードポイントに別の荷物等を縛って携行が可能
  ジッパーが破損した際もストレイトジャケットコンプレッションやレインカバーにより簡易的なリカバリーが可能
  この手の商品にしては背負った際の負担が少なく、通気性や快適性も高い。
改善を要する点 ショルダーストラップやヒップベルトの拡張性が乏しい

紛争地帰りの3in1


私は紛争地&治安のよろしくない国への仕事は断然バックパックを使う。常に両手をフリーにしていつでも素早い行動を取れる必要性があるためだ。駆け出しで武者修行をしていた頃はホムセンで入手できるような安いバックパックを使い込んでいた。お金が無く良いバックパックを買えなかったこともあったが、目立たないしそれはそれでよかった(どうせ死ねば高価な装備なぞ意味は無いと捻くれていたお年頃でもあった)。ただしより研究や検証を目的に歩み出してからは荷物が増えていくことによる心身負担の増大が懸念となった。そこでMISSION WORKSHOP – The Vandalを導入。

Vandalのレビューはこちら ↓ ↓

【レビュー】 MISSION WORKSHOP – The Vandal


Vandalの良さは、荷物が少ない時は驚くほど薄く圧縮でき、荷物がどんどん増えても、その拡張性により驚くほどの収納力があることだ。ただ、弱点としては圧縮状態だと、嵩張る荷物をあまり収納できないことに加え、いざ拡張した状態だとバランスがあまりよくない。また、バックパックを下ろしてしばし一服をしたり、荷物の整理をする際に、自立ができないため、どうしても支えを付けるか横に倒す必要性が出てくる。これは防犯上の観点からもあまりよろしくない。極力ホテルの自室以外では、店を広げて無防備なカモネギにはなりたくないものだ。ということで、Vandalに代わる出張&旅行カバンの選定に乗り出した。私が求める条件は以下の通り。

 

~必須要件~
バックパックとして背負うことができるもの。

→両手が空くのは緊急時の対応に支障が出ない上でも大事だし、そもそもバックパックは多くの荷物を持って長距離を移動するのに適している。

3泊分の荷物を入れることができ、その状態でも容量に半分程度の余裕があること。

→少なくとも帰りは荷物が増えることが多いので。

メインコンパートメント以外にも外部からアクセスできる収納があること。

→これも店を広げないため。

メインコンパートメントの開閉機能が破損した際に、リカバリーが容易で、その状態である程度の移動ができること。

→例えばキャリーケースのファスナーが破損し、移動に支障が出るようなことにならないために。

何らかの拡張機能があること。

→荷物が入りきらない際に役立つ。

あまり目立たない色であること。

→治安が悪いエリアにも行くので、歩く電光掲示板にならないように。

 

~あれば尚可~

車輪が付いている。

→抵抗が少ない舗装路での移動には疲労が少なくて良い。

底面の汚れが落ちやすく、できれば鞄本体が地面に接することが無い形状。

→衛生環境が悪いエリアにおいてけっこう重要になってくる。

メインコンパートメント内に別の小物を入れれるような収納がある。

 

これらの条件を元に以下の製品も候補として挙げ、最終的に今回紹介するOSPREY社のSojourn Wheeled Travel Pack 60L(以下Soujourn トラベルパックと呼称)を採用した。

●OSPREY –  FARPOINT WHEELED TRAVEL PACK 65

→SOJOURN 60Lと性質が非常に似ているが、比較すると各種グリップ類が少し簡素なので除外。

●Eagle Creek – Expanse Convertibles 

→拡張性やベルト、グリップ類が乏しいため除外。

●Deuter – Helion 60

→拡張性が乏しいため除外。

●Vertx –  Carry-On Roller

→ベルト類がSoujourn トラベルパックと比較して簡素なので除外。

○その他、積載するものを自由に選べる点から車輪付きの背負子も検討したが、荷物の取り出しや不意の分解等が起きると面倒なので断念。


こいつがSojourn トラベルパックだ。Sojournは「滞在」や「逗留」の意味。

オスプレーのSojournシリーズは多用途の旅行カバンとして多数展開している。バックパックにもキャリーケースにもなるこのSojourn Wheeled Travel Packの他にも、バックパック機能のみのSojourn Porter、バックパック機能を排したSojourn Shuttleがあり、それぞれに3種類の容量違いが設定されている。

Sojournトラベルパックにも80L、60L、45Lの3種類の容量が設定されている。60Lをチョイスした理由はある程度荷物を放り込むことができると同時に、背負った際に無理の無い大きさだからだ。80Lだと身体の負担が大きくなるし邪魔だし、45Lだと少し足りない(ただし45Lモデルは多くの航空会社の機内持ち込みサイズ範囲内である)。

この60Lモデルの公式サイズは71×44×35cmではあるが、後述する方法を用いて高さはともかくとして幅と奥行きは縮小と拡大が大幅に可能だ。機内持ち込みはほぼ不可能ではあるが。


次に特徴的なオスプレイ社のStraightJacketコンプレッションストラップを見てみよう。

両側面に展開するムササビやコウモリの羽のようなこのパーツは、先端のベルトで容量に合わせて幅を自由に変えれるだけでなく、メインコンパートメントの容量オーバーで入り切らなかった荷物等をまとわせることができる便利な機能がある。

こうしてみると当研究会も備品として使用している同社のMetronを大きくして車輪とハンドルを追加したような形状だ。実際地面を転がせれること以外は似たような性質を持っている。容量やサイズを伸縮できるこの機能は非常に便利だ。


また、バックルのメス側の上面部位に関しては、側面のより回り込んだ位置にもう一箇所増設されており、ここに挿すことでバッグの幅や奥行きをさらに絞り込むことができる。私が購入したのは旧モデルで上面のみだが、現行モデルは下面にも増設されている。

その他、StraightJacketはパッド素材が用いられているため荷物保護にも役立つし、万が一前面フラップのファスナーが破損した際に荷物の脱落を保護する簡易的な蓋にもなるため、少々ハードな行動にも向いている。社会情勢が良くなく尚且つ補給があまり見込めないエリアにおいてバッグが破損することは時として死を意味する以上、このようなリカバリー性能が高いバッグは心強い。


メインコンパートメントにアクセスできる前面フラップ部にはD環等の拡張性を付与できるパーツがいくつかあり、アイデア次第で様々なアイテムを設置できる。現行モデルは大きなバッグも合体できる隠しストラップも増設されているようだ。これには荷物が多い伝説の配達人もニッコリだ。

このD環は同社のDaylight バックパック等を増設できるよう設計されている。

車輪の付いたバックパック、バックパック機能のあるキャリーケースなぞ探せばけっこうあるが、このような拡張性に富んだ製品は少ない。急な荷物の増加や、バッグ内にしまい込むまでもないジャケットを引っ掛ける等でけっこう役立っている

写真上部に写っているが、前面フラップ部と上部コンパートメントのファスナーのスライダーには、指で掴みやすく折れ曲がった形状をした樹脂製ストラップが付いている。ストラップには穴も開いているため、スライダー本体には南京錠等を入れることができる穴も付いている。


前面フラップは底面5cmほどを残してガバっと下まで開くことができる。ファスナーはスムーズに動き余計な引っ掛かりを感じさせない。購入して5年は経過するが今でも同様だ。


フラップの裏面は内寸約33x15cm(上面)と33x30cm(下面)の2つのメッシュ状のコンパートメントが設けられている。

あまり重く嵩張る物を入れるところではないが、ちょっとした書類や衣類を私はよく入れている。


メインコンパートメント内部。

中の荷物がわかりやすいよう、内部は蛍光色に近い黄緑色になっている。

荷物を圧縮及び固定ができるアジャスターベルトは上と下二ヶ所に設置。現行タイプは側面からも調整できるよう改良されている。

内寸は縦横約63x42cmで、押し広げれば65x50cmくらいまでは広げることが可能だ。

奥行きについては伸縮式のキャリーハンドルがあるので中央部が少し嵩上げされており、普通に計測すると約24cmほどだが、フラップ部に余裕が設けられているので35cm以上は余裕で拡張可能だ。


恒例の銃器は何が入るをやってみたが、全長68cmの固定銃床式MP5A4は押し込めばギリギリ入った。

2Lのペットボトルが何本入るかはこの容量ともなればもはややる気は無いが、冬用の羽毛布団と毛布一枚、そして枕は押し込めば入る。少なくとも3泊4日の私の荷物を満載した場合は、まだ4~5割ほどの余裕がある。


メインコンパートメント両側面には片方がメッシュの長細いコンパートメントが設けられている。

縦横22x50cmで、ある程度余長を持って作られているので少し厚手の物も入る。


こちらは本体上部にある上部コンパートメント。

袋状になっており、2Lのペットボトル2本と500mLのペットボトル1本が入るという意外な容量がある。

ただし、薄手の生地一枚だけでメインコンパートメントに接しており、入れ過ぎはメインコンパートメントの圧迫や、尖ったものや重量物を入れると破けに繋がるだろう。私はここにレインカバーやよく取り出す小物を入れて使用している。


背面に移ろう。

背面の大きなファスナー内部にはバックパックモードに必要なショルダーストラップやヒップベルトが収納されている。

その上には伸縮式のキャリーハンドルが格納されている。ハンドル上面のロック解除ボタンを押して引っ張り上げることや格納ができる。

さらに上には肉厚のパッドが縫い付けられたハンドルがもう一つある。これはちょっと持ち上げたり、後述する荷物を荷台等に入れる際に使用する。


キャリーハンドルは26cm、42.5cmの二段階に伸縮可能。軽量アルミ製で普及帯のキャリーケースのそれと同じだ。


底面2輪ホイールは90mmの大型の物を採用。

中央部はフラット、側面はオフロード対応形状になっており、空港やショッピングモールのツルツルの床だけでなく、石畳やアスファルト路面であっても比較的振動が少なく安定した走行ができる。


ホイールは頑丈で軽量なABS製のHighRoadシャシーに取り付けられおり、そこに高強度ナイロン生地や樹脂、アルミの複合素材でできたバッグ本体と接合されている。ホイール後方にあるバックル(メス)はバックパックモードでヒップベルトを接続するのに使用する。

立てて置いておくのに必要な土台は中央部は弧を描くように少し凹んでおり、荷台等に持ち上げるのに必要なグリップ用の穴が開いている。

この部位は握りやすく少し凹ませているのと同時に、接地時にグリップする部位が直接地面に触れないようにするデザインでもある。細かいポイントだが衛生環境の悪いエリアだと精神衛生上にも良い。荷物をあまり地面に起きたくない私には欠かせないバッグである。


これが荷物を放り込む際に実に便利である。上部の肉厚のパッド付きハンドルと一緒に持てば積載物満載の重たくなったバッグもひょいと入れることができる。腰高のオフロード向けピックアップトラックへの積載も苦ではなかった。

この旧型モデルには無いが、現行型には前面フラップ上部にもグラブハンドルが設けられており、より積載が容易になっている。


ハンドルは人間工学的なデザインでラバー加工もされているので握って引っ張りやすい。

大径だけでなく、ホイールが固定されているので直進安定性は良い。勢い余って遠心力をつけてカーブを曲がろうとすると横転しそうになるのでそこは注意すべし。

ホイールは縦横無尽に可動するタイプではないが、その分耐久性を取っている。また、4輪にしなかった点も立てた際の安定性が良いので悪くない判断だったと思う


左側面には上部ハンドル同様の肉厚ハンドルが付いており、ダッフルバッグのように持ち運ぶことができる。キャリーケースモードやバックパックモードにするほどでも無い短距離での移動でこれがけっこう役立つ。荷物が凄まじく重かったり内容物を横にしたくない時は別だが。

本製品は完璧な防水機能は無いが、上部コンパートメントには簡易的な止水ファスナーが、メインコンパートメントのファスナー上部分には覆いがされており、これとStraightJacketで包み込むことでファスナーに直接水や砂塵が入りにくくはなっている。小雨なら無視できるし、年に1回ほど防水スプレーでもかけてやれば何とかなる。本降りやスコールが来た際は大人しくレインカバーをかけるさ。


ここでようやくバックパックモードの話に移ろう。

背面のファスナーを開くと各種バックパックのパーツが収納されている。下部からヒップベルトを引き出しす→背面フラップをヒップベルトが収納されていた部位にしまい込む→ヒップベルト下部のバックル(オス)をHighRoadシャシー底面のバックル(メス)に接続→ショルダーストラップ上部のバックルは本体上部に、下部のバックルはヒップベルト側面に接続するとバックパックモードにトランスフォームできる。

バックパックモードへの移行手順に関しては慣れれば40秒ほどで、逆であるバックパックモードからキャリーケースモードへの移行は25秒ほどで可能であり、様々な局面において使おうという気にはなれる。

ヒップベルトだが、収納時はパタパタと折りたたむことができ、展開するとまるで折り紙やしかけ絵本のように立体的な構造になる。これにより、厚手のパッドを使用せずに携帯性、通気性、そしてクッション性能が矛盾無く機能する。流石はオスプレーであり、こういうところは得意だ。

また、バックルで留められているので必要に応じて取り外したり、上下の長さ調整も可能だ。この手のバックパックモード付きキャリーケースはそもそもヒップベルトが無かったり、付いてても簡素なものしか無いのが多い中、収納性を犠牲にせず至れり尽くせりである


また、公式では保証されていない使用方法だが、ヒップベルトを出さずにショルダーストラップ下部バックルをHighRoadシャシー底部のバックルに接続することで、ヒップベルトの無いバックパックとしてより早く展開して使用することもできる。

この裏メニューは重量物を入れていると体にかかる負担が増えるのは当然として、本来想定されていない使い方であることには注意してほしい。あと腰側面を覆うヒップベルトが無いのでホイールが服に付いて汚れるということも一応言っておく。

ただ、バックパックとして背負いたいけどショルダーストラップを出すまでではない、もしくは出している余裕が無い時は一時的な使い方としてありだと思う。現に海外にて後者の理由で何回か使用したことがある。


裏技は隅に置いて各部位を見ていこう。

背中を支える背面パネルだが、ここも厚手のパッドなぞ使わず落下防止ネットのようにメッシュ素材を張った構造になっている。

薄手なので一見耐久性やキャリーハンドルのアルミ支柱に背中がゴンゴン当たる気がするが、5年使用しても一切の劣化や損傷は見られないし、ショルダーストラップやウエストベルトとのバランスが取れており、重量物を入れても背中が痛くなることは無い。


ショルダーストラップも肩や胸周りに合わせたカーブ形状のデザインになっており、優しくもしっかりと荷物を身体に固定しくれる。

メッシュ素材の中に肉抜きされた厚さ1cmほどのクッション素材が入っており、肩や胸に過度に食い込むことない心地よい固定感がありながらもAirScapeシステムにより通気性をちゃんと確保している。

このショルダーストラップは背面パネルとベルクロで接続されており、上下調整が可能。

チェストストラップは高めの音が鳴るホイッスル機能付き。こちらもアジャスターで幅や上下調整ができる。


身長165cmのクロゴに背負わせるとこんな感じだ。

まず驚くのはそのフィット感と重量物を入れて歩いても苦になりにくい背中と腰の心地よさだ。

特に立体構造のヒップベルト部と背面パネルが良い仕事をしており、バックルを留めずとも腰や背中へのフィット感と衝撃吸収能力が高い。もちろんバックルを留めるとより効果が高まり、下手な登山用バックパックよりも快適なほどだ。

それに加え、メッシュ素材とエアフローを考慮したオスプレー独自のAirScape設計により、このような暑苦しい外観ながら素晴らしく通気性が良い。これに関してもこの手のバックパックになれるキャリケースの中では断トツに良く、熱中症だけでなく心理的負担も違ってくる。


重量物も背負ってしまえば重さを感じにくく、良い姿勢で長く歩くことができる。バックパックモードで長距離移動をすることを真面目に考えた設計だ。クオリティーの高い登山用バッグにはさすがに負けるが、このバッグでも内容物が中で動き回らないよう固定をして重量バランスを考えて詰め込めばちょっとした登山でも余裕でこなせる。

再確認するがキャリーケースを背負っているのだ。にも関わらず素早い動きでもブレにくく体にしっかりとくっつき安定性が高い。偵察訓練にて、ドローンや通信機材、その他偵察用資材を満載した本製品を背負い、演習場内の道無き道をKLX250で飛んで跳ねて押し進んだこともあったが、シートの高さにバッグをうまく調整すれば人馬一体感を損なうことなく移動ができた。

外観に似合わず走る、曲がる、止まる、しゃがむといった行動も足を引っ張ることなくできる。治安的に不穏なエリアにて不穏な状況に出くわした際、ちょっと物陰から様子を見よう、あダメだこれ逃げろ逃げろという事態に何度か遭遇したことがあった際も身体の動きに合わせて主の機動力を阻害せず付いてきてくれる。何よりも両手が空くのが良い。これが普通のキャリーケースだと頑張って持ち上げるか、ゴロゴロと転がしながら移動しないといけないのだ。


私はこのバッグと共に長距離を歩む際は、バックパック状態を基本とし、疲労が溜まってきた時や治安レベルが良く整地された路面でのみホイールを転がしている。ここぞと言う時の車輪であり、摩耗や破損を少なくする考えでもある。

疲労困憊時にようやくキャリーケースモードにできそうなエリアに到着し、背から降ろして車輪を転がした時の快感たるやたまらんぞ。

現に舗装状態が悪い国で、連れがキャリーケースの車輪を拷問死させて急遽市場でキャリーケースを新調する羽目になったことがある。その時も私はこいつを背負っていたので涼しい顔で煽りちらすことができた。

ちなみに本体重量は3.71キログラムであり、60Lのキャリーケースとしては少し軽いくらいの重さだ。

一つ改善点を挙げるとすれば、ヒップベルトやショルダーストラップに小さなポーチやカラビナ等何かを引っ掛けれるハードポイントがあれば文句なしだ。これは同社Metronの際にも同じ指摘をした覚えがある。

Conclusion | 総評


今までの遠征用バッグと違い、この製品を購入してから日々の業務やアウトドアレジャー等でも使用機会が増え、私にとって欠かすことのできない多用途なバッグである。

余計な異物を背負っているという感じが無く、機動力を損なわず、快適性も高い。

価格についてはこの60Lモデルが395ドル、45L版は375ドル、80L版が450ドルとなっており、国内では5万円の出費は避けられそうにない。安いキャリーケースなら家族分買えそうだし、登山用バックパックであっても良いものが買える価格だ。何よりこのお金で韓国や台湾に行って飲んで食って土産まで買って帰れる額だ。

私は幸いにもコロナ禍で旅行カバンが売れなかったことと、セールの組み合わせで28000円で入手できた。


だがこのバッグは唯一無二に等しい。バックパック化できるキャリーケースは他社にもあるが、キャリーケースとしてもバックパックとしても妥協がされておらず、様々な環境下や用途で使えるように綿密な検証の元で設計されたものであろうことが肌で感じることができる。

いざという時のリカバリー性や拡張性にも優れており、降って湧いた状況に対し、このバッグでできる対処能力は高い。それに加えて細部に細かな配慮が加えられており、旅や業務を快適にしてくれるアイテムでもある。

もちろん、性能を突き詰めたキャリーケースや大型バックパックに太刀打ちできるものではないしそもそも土俵が違う。キャリーケースの利便性を味わいつつも、バックパックとしてもあまり妥協なく使いたい。そんな私のような随所で手抜き・息抜き行動派には最高のバッグである。

同じく高い評価を与えた同社のバックパック「Metron」のレビューはこちら ↓ ↓

【レビュー】 OSPREY – METRON 24 & 26