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ジャンル:スコープマウント

値段は抑えられながらも、軽量で信頼性の高いスコープマウント

執筆時期:2018年5月

SPECS │ 性能諸元

メーカー名(メーカー国・製造国) WARNE (アメリカ合衆国)
対応スコープ径 30mm(本製品)、1インチ、34mm
スコープ中心部までのマウント高 1.435インチ(3.64cm)
重量 190グラム
素材 6061アルミニウム
カラー ブラック(本製品)、レッド、ミルスペックOD、ダークアース、ブルー
価格 97ドル(2020年、139.99ドルに値上がり)

スタイリッシュで軽量なワンピースマウント

Burris社のAR-P.E.P.R.スコープマウントは素晴らしい製品である。安いところでは50ドル台で入手可能なお手頃価格ながら、タフさと信頼性があり、AR用のスコープマウントに迷ったらとりあえず載せておいても後悔はしない。欲を言うなら重量(250-259グラム)をもう少し軽くしてもらいたいが、重量が軽く良質なスコープマウントを得るには、どうしてもお金を積まなければいけないのが現状だ。例えばNightForceUltra Light Unimount(136グラム)は250ドルを越え、2018年 SHOT SHOWで話題になったSCALAR WORKSLeap Scope Mount(154グラム)も250ドルを切ることはない。耐久性の高いワンピースマウントで、軽量なモデルが欲しければ、どうしても値が張ってくるのだ。


となると、ここは一つ妥協して100ドル前後のモデルを考えたい。選定基準は、ラフな使い方を考慮してのワンピースタイプのマウントで、緊急時には手締めで脱着もでき、重量は200グラム以下とした。ここで出てきた候補は以下の3つだ。

Leupold Mark2 IMS:重量181グラム

Vortex Pro Extended Cantilever Mount:重量198グラム

Warne X-SKEL MOUNT:重量190グラム

この3つは射撃界ではどれも人気のマウントだ。マウントの高さはどれも同じなので、後は重量や形状等で選ぶことになる。となると、1番重いボルテックス社は最初に除外となった。Burrs AR-P.E.P.R.で学んだことだが、遠心力がかかりやすいライフル上部の重量は、わずかな差でも簡単に体感でき、射手のコンディションや体力に影響を及ぼしやすい。また、長距離の徒歩行軍のみならず、作戦行動中、銃は撃っている時よりもただ持っている時の方が圧倒的に長いのだ。故に、オペレーションに必要な装備品は、信頼性も大切だが重量もおざなりにしてはいけない。

さて、そうなるとLeupold Mark 2 IMSWarne X-SKEL MOUNTで悩む。重量はリューポルド Mark 2 IMSの方が軽いが、ワーンのX-SKEL MOUNTの方がスコープ固定ネジが多いので、安心感は高い。ということで私はWarne X-SKEL MOUNTをチョイスした。(この二つはAR用マウントの中でも特に支持が高いマウントなので、どちらを選んでもハズレではない。)


さて、Warne社のX-SKEL MOUNT(正式名称:Extended Skeltonized MSR Mount)だが、実にスタイリッシュでクールなマウントだ。

Warne社(Warne Manufacturing Company)は、第二次大戦後のオーストラリアで生まれたメーカーで、当初は狩猟・狙撃用ライフルや散弾銃の銃身やパーツ類を製造・販売していた。現在はアメリカのオレゴン州で競技や法執行機関向けのスコープマウントを製造しているメーカーだ。軽くて精度や信頼性の高いスコープマウントを製造するメーカーとして有名で、3Gun等の競技の選手にも人気である。そのため、スコープマウントのカラーラインナップは豊富で、黒・OD・赤・青・ダークアースと幅広く揃えている。

スコープ中心部までのマウント高は、1.435インチ(3.64cm)で、ハイマウントではあるが、Burris AR-P.E.P.R.マウントの1.6インチ(4.064cm:Lower 1/3 Co Witness)より低く、私にとっては頬付けがよりしっくり来る。


スコープリング上部と下部は、スケルトンの名の通り軽量化のため肉抜き加工がされている。ゴミや砂等が溜まりやすいのが難点だ。


スコープを固定するネジは片方4つずつでとめることができる。その分もあってLeupold Mark 2 IMSよりは重量が9グラムほど増えているが、安心感は増す。


スコープ裏側。ここも肉抜きがされている。マウント固定ネジは、脱落防止処置はされているが、緩み防止用のスプリングワッシャー(ばね座金)等は無い。バリス AR-P.E.P.R.マウントで便利だったので付けて欲しかった。


取り付け方法の説明書。スコープ固定ネジは25in / lb、マウント固定ネジは65 in /lbで締めることが推奨されている。


愛用のLeupold VX-R Patrol 1.25-4×20に装着するため、30mmタイプのマウント(XSKEL30)を選定した。他にも1インチ径スコープ用のXSKEL1や、34mm径用のXSKEL34がある。

また、長距離狙撃用に20MOAの傾斜が付与されているLRSKELもある。こちらも各種搭載スコープの径にあったラインナップが用意されている。


マウントの重量は190グラム。長らく愛用していた、Burris AR-P.E.P.R. マウントから、60グラム以上も軽くなった。実に快適で、これを装着後に15キロほどではあるが山あり谷ありの徒歩行軍をしたが、腕まわりの疲労がまったく違った。もちろん、CQB等で必要不可欠な素早いガンハンドリングもより素早く、疲労は軽減される戦闘が可能となった。

5.56mm弾と12番ゲージで、取り外して再度装着しての射撃を行ったが、ゼロイン(ゼロ点規正)の狂いもなく、精度も確かだ

5.56mm弾は200m、12番ゲージはスラッグ弾で50mの射撃を行って検証。