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廉価モデルであるSLx MD-21のレビューはこちら ↓ ↓

【レビュー】 Primary Arms – SLx MD-21 & GLx MD-21s (SLx編)

ジャンル:ダットサイト

ソーラー給電システムを付与したMD-21の上位モデル

執筆時期:2026年1月

検証人数:2人

実弾射撃評価:有り

→MINIMI 軽機関銃 – 5.56x45mm弾

→Type 89 – 空砲弾

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Primary Arms – GLx MD-21s(2MOAモデル)販売ページ ↓ ↓

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Primary Arms – GLx MD-21s(ACSSモデル)販売ページ ↓ ↓

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SPECS | 性能諸元(公式)

メーカー名(メーカー国・製造国) Primary Arms(アメリカ合衆国・中華人民共和国)
全長 71mm
重量 141.7グラム
ボディ素材 6061-T6アルミニウム
倍率 1倍
対物レンズ径 21mm(有効開口径:20mm)
レティクル 2MOA(本製品)、ACSS CQB
イルミネーター 赤色LED 12段階調光(内3段階は暗視装置用)
防水性能 IP67
使用電池 CR2032リチウム電池
価格 219.99~259.99ドル

Pros & Cons | 一長一短

※ここはあくまで、KUSEMONO TACTICALが想定する使い方、視点から見た一長一短です。

※一長一短をわかりやすく表記しているだけであり、項目の数や内容、順番による採点評価ではありません。

優れている点 近距離から中遠距離まで様々な用途で使えるレティクル
  好みや使用状況に応じて切り替え可能なレティクル
  押しやすいスイッチ
  多数のマウントやライザー類
  対物レンズ側からイルミネーションの発光が見えにくい
改善を要する点 内部反射が少し目障り
  最低輝度が明るい
  レンズの透明度やグラデーションに個体差がある

 

金の味・銀の味


紆余曲折を経て良い評価となったSLx MD-21だが、今度は上位モデルであるGLx MD-21sを評価していこう。

GLxはMD-21の横に小さな「s」が付いているが、これはソーラー給電システムが付与されていることを表している。

GLxというワンランク上の格付けとなり、いったいどんな差がSLxと比較してあるのだろうと思うかもしれないがカタログスペック上の違いはこのソーラー給電システムが付いているかいないかだけである。

→SLxはSilver Lineの略、GLxはGold Lineの略。


上面のソーラーパネルは1.7×3.6cmの大型のものが設置されている。このソーラーパネルから電力供給可能な光エネルギーを検知すると、電池からの電力供給をカットする。太陽が元気いっぱいの時は最悪電池を抜いていてもイルミネーションを点灯できる。

この大きなソーラーパネルは余計な反射の増加につながりやすいため、隠密行動が重視される時には遮光措置等をしておいたほうがいいだろう。


ソーラーパネルが上面を占有しているため、GLxモデルはスイッチが上面から左側面に移動している。

位置は変われどこのスイッチは優秀だ。大きくてグローブを付けてても操作しやすいと同時に、何かに触れても誤操作がされにくいという点を両立している。後者については上面から左側への移動で装備品に干渉しやすくなった点は少しあるだろうが、スイッチのオン・オフは両スイッチを長押ししないといけないため、優位性の低下は限定的だろう。


その他大きな違いは無い。2種類の高さ変更(1.41インチ(3.58cm)と1.535インチ(3.89cm))が可能なハイマウントとローマウントも同じく付属する。もちろんフットプリントはT1&T2規格。

ちなみにマウント無しの実重量は114グラム。SLxの2MOAモデルと比較すると6グラム重い。

Reticle │ ACSS CQB


レティクルに関してはGLxモデルもSLxモデル同様に2MOAドット版とACSS CQB版の2つがある。SLxでは2MOA版を紹介したので、今回GLxはACSS CQB版を紹介しよう。同じGLxでもACSS CQB版は2MOAモデルよりも40ドルほど高くなっている。ACSS CQBの基本性能は以前紹介した同社のより大きなダットサイトであるMD-25と同じだ。

中央部分には逆V字型のセンターシェブロンが採用されている。中央を素早くターゲットに合わせやすく、ある程度の精密射撃も行えるので、この手の低倍率スコープに採用されているのを他社含めてまれに見かける。

シェブロンから下に3点連なるドットはそれぞれBDC機能(距離による弾丸の落下予測機能)を持っており、センターシェブロンをどの距離でゼロインするかよによって、5.56x45mm弾や7.62x51mm弾だけでなく、12番ゲージスラッグ弾や.22LR弾等10種類以上の弾種に対応している。それがどこまで正確かどうかは置いておくが。

例えば5.56x45mm NATO弾を用い、センターシェブロンの頂点を100ヤード(91.4m)の距離でゼロインした場合、シェブロン下部の山の頂点で200ヤード、シェブロン底面の平行線上で300ヤード、BDCドットの1番目で400、2番目で500、3番目で600ヤードとなっている。

周辺部の馬蹄型サークルレティクルはCQBでの素早い照準に役立つと同時に、18.5~20インチ銃身のショットガンにおける.00バック散弾の25ヤード(22.8m)の拡散パターンと合致するサイズとなっている。

ちなみに、中央シェブロンも上端、下端にかけて400~600ヤード距離における風速5mph時の弾丸の風に流される予測点(ウインドホールド)に使えるらしい。見てわかる通りこれにはちょっと無理がある。そもそもどんな弾種を用いてのウインドホールドの事なのかすら説明書には詳しく表記していない。

他にも、高さ5フィート10インチの成人男性(177.8cm)の高さのターゲットまでの距離を計測機能もあり、こちらはBDCドットの最下点からシェブロン底面までの範囲に収まれば600ヤード、シェブロン下段の頂点ならば500ヤード、シェブロン上段頂点…ではなくそのちょい上ならば400ヤードと距離を算出できるとある。これについてもけっこう無理がある設定だ。

スコープレティクルと違ってエッチングされていないため、環境によっては輪郭が見えにくくなってしまう。現に白い背景で撮影した上の写真もそうである。この機能をフルに使うとなるとマグニファイヤー(拡大鏡)との併用が必須と言っても良いだろう。


しかし今回搭載されているACSS CQBは一味違う。中央のシェブロンは固定でその他のレティクルパーツをそれぞれ好みで光らせることができるのだ。

これなら各々の好みや射撃状況に応じてレティクルを柔軟に選択することが可能だ。レティクルの切替はどのスイッチでもよいので3秒間長押しすることで切り替えができる。

レンズの個体差

SLxモデルのレビューで、交換品はレンズの透明度っていうかグラデーションが大きく改良されていた際、プライマリーアームズのカスタマーサポートがわざわざ同社のリードエンジニアにバトンタッチまでしてこの件を丁寧に説明してくれた。この時私が受けた説明はこうだ。「すまねぇ、初期生産品の一部に不良品が混ざっており、淀んだレンズが混ざっている可能性がある。現在の生産品は全て改良後の澄んだレンズに置き換わっているからノープロブレムだ」と。

そうなってくるとここを見ているあなたもツッコまずにはいられないことがあるだろう。なんでまたレンズが青く淀んでいるんだ?と。


この写真は同環境下にて撮影した改良後のSLxモデルだ。誰がどう見てもGLxはレンズグラデーションがモリモリであり、まるで別物…っていうか初期生産型のSLxモデルの淀んでいたレンズと同じだ。今回入手したGLxモデルは初期生産型ではなく、満を持して入荷を待っていたものであり、当然改良後のSLxモデルと同じレベルのものがやってくるとばかり思っていたらこれだ。

そこで再度プライマリーアームズのリードエンジニアに事情を聞いてみた。返答はこうだ、「現在SLxとGLxは同じレンズを共有しており、差が出ることは基本的に無い。ただし、製造工程で若干のばらつきが生じることがある。」

その返答を素直に受け止めるとしてこの品質差はちょっといただけない。昨今、他メーカーであれエントリーモデルであれ、レンズ品質の差がここまで大きなものはあまり見たことがない。このグラデーションの差に関しては改善と安定化をさせるべきだ

レンズが青いことは問題ではなく、グラデーションが大きなことに問題がある。それは照準や識別能力の低下に繋がるからだ。

近距離における照準

文句を言っててもはじまらない、とりあえず気分転換に外に出てみよう。

林内にて5~30mのCQBを想定した照準。ターゲットは人間の上半身を模したUSPSAマンターゲット(縦75cm×横45cm)。



イルミネーションについてだが、輝度を明るめにすると2MOAモデルよりもレンズや鏡筒の縁に沿ってイルミネーションの反射が出やすくなる。射撃に大きな影響はあまり出ないが、気になる人は出てくるかもしれない。


比較的明るい場所だと例のグラデーションはそこまで気にはならないが、明暗が入り乱れているような場所だとどうしても目立ってくる。

ACSS CQBのサークルレティクルは25ヤード(22.8m)におけるバックショット散弾のパターンに合わせた大きさになっている。この大きさは20~30m距離でのマンターゲットに大まかな照準合わせをするのに適したサイズなので、CQBにおける有用性は高い。


ACSS CQBレティクルに関してはサークルレティクル系の中でも下部分が切れており閉ざされた円ではないため、ターゲットを完全に覆い隠さないので良い。


こちらは中央のシェブロンのみを点灯させてみた写真。ダットサイトはシンプルなレティクルが好みなので私はこの状態も好きだ。

写真だとシェブロンが逆V字には見えず、まるでただのドットに見える。これはシェブロンが小さいため、輝度を上げた場合は実際の目にも鋭角部分が滲んでそう見えてくる。この件については100m照準の時に詳しく語ろう。

50メートル照準 │ イルミネーション輝度について

距離を50メートルに伸ばし、光学品質をより詳しく見ていこう。ターゲットは180cmの位置に吊るした青いツナギ。


ここではBDCを消したシェブロンとサークルのレティクルパターンで点灯させている。こちらはシンプルさとCQBにおける素早い照準を両立しており、中遠距離の射撃を行わないのであればより万人受けしやすいパターンではないだろうか。

イルミネーションの最高輝度については、2MOAモデルと同じく、HOLOSUN HS403Bのそれの1段階下げた明るさとほぼ同じ。普通の日中環境下だと必要十分な明るさではあるが、よく晴れた砂漠や雪原だと物足りないだろう。アリゾナの砂漠で銃を撃つ人にはもう1~2段階ほど明るくしてほしいと感じることだと思う。


だが最低輝度や暗視性能については太鼓判を押した2MOAモデルとは違っていた。

まず肉眼で見ると最低輝度がなんだか明るいことに気がつく。2MOAモデルの4段階目くらいの明るさと同じだ。これは発光面積の最も少ないシェブロンのみのレティクルパターンにしても同じ。暗い室内や林内だとこの明るさはちょっと煩わしい。

これは暗視装置越しに見ても同じである。今回の検証で月明かりのある夜間における照明を落とした室内で、第3世代型の微光暗視装置であるPVS-14と併用してみたが、明らかに明るすぎる。肉眼や暗視共にあと2段階くらいは最低でも下げてほしい。特にこのようなかなり暗い環境下でサークルレティクルを灯すと、より滲んで照準しにくくなる。2MOAモデルが肉眼と暗視装置共に非常に優秀な性能だっただけに、レンズのグラデーション同様残念なポイントだ。

100メートル照準

距離を100mに伸ばして照準。ターゲットは50m時と同じ。


このグラデーションを除き、レンズの光学性能や反射等についてはSLxモデルと良いところも悪いところもほぼ変わりはない。

対物レンズ側からのイルミネーションの視認性に関しては、発光面積が少ない2MOA版と比較するとACSS CQB状態だとやはり目立ちやすいが、それでもホロサン等のその他サークルレティクル系ダットサイトよりは視認性が低い。シェブロンのみの発光だと2MOA版とほぼ変わらない。

パララックスについては写真を撮っていないため申し訳ないが、SLx MD-21 2MOAモデルと比較すると少し小さく優秀であった。


さて、中央のシェブロンについてだが、このように距離が離れたり精密射撃を行いたい場合にその鋭角な頂点の視認性が重要になってくる。

適切な輝度で青や黒いターゲットを照準している場合はわかりやすいが、そうでない場合はこの鋭角が潰れて見えにくくなる。これに乱視が加わるとただの若干歪んでいるドットに見えてくるから精密射撃が行いにくくなる。さらに、写真のようにシェブロンのみにして無意識のうちにシェブロンに集中してしまった場合はよりより見えにくさに拍車がかかってしまう。

こんな検証を行った。白い壁に向かってACSS CQBレティクルを適切な明るさで点灯させ、このレティクルの形状を知らない人たち7人ほどに中央のシェブロンがどんな形状をしているのか絵を描いてもらった。この人たちは視力1.5以上の人もいれば、近視や老眼、乱視もいる。結果は一人を除いて誰も逆V時型のシェブロンを描いてくれず、潰れた円や長方形や台形のような形状ばかりだった。

この問題については米国の掲示板等でも一定数指摘が上がっている。もう少しシェブロンを大きくするか、いっそのこと中央もドットにしてしまうほうがいいかもしれない。

100メートル照準 | 3倍マグニファイア


と、言うことで同距離にて3倍率拡大鏡(Holosun – HM3X)を用いて照準をしてみた。

一目瞭然だ。このレティクルをフル活用するにはマグニファイヤーとの併用が前提条件であることが伺える。

ただし3倍に拡大しても300m以上先のターゲットをしっかり狙うのには難易度が高くなる。レティクルもスコープと違ってエッチングされていないため、あくまで600mくらいまでの弾道落下予測も「可能」ではあるということを念頭に置いておくべきだ。


こちらはシェブロンとBDCのみを発光させたパターン。センターにより集中した中~遠距離射撃を行いたい場合はこのレティクルは有効だ。後述する軽機関銃による中距離射撃もこのレティクルで行った。

実弾射撃、各種訓練における使用感等


今回実弾射撃検証については、機関銃手(MINIMI軽機関銃)に任命された研究員がいたため、屋外での戦闘射撃訓練にてHM3Xマグニファイヤーと共に装着して挑んでもらった。

最大射程で400m先のマンターゲットを撃った際、このBDCは見事に機能したようだ。この距離のターゲットを3体撃つことになったらしいが、全て撃破することに成功した。

ただここまで離れるとシェブロンのサイズがターゲットと被って少し邪魔に思えるようだが、だからと言って2MOA程度のドットであったとしてもあまり変わらないだろうという印象だった。どこまでいってもドットサイトだ、こういう射撃はスコープと同等とまではいかない。

ただマグニファイヤー越しのシェブロンレティクルによる中距離における複数のターゲットへの射撃は、ターゲットのセンターに矢印を合わせるかのようにトランジションができるため、ドットのみや一般的なサークルレティクルよりも行いやすかったとのこと。こういう時、縦にも長いレティクルも良いのかもしれない。

→ただしこれはレティクルが拡大されるマグニファイヤーを用いた場合の話だ。マグニファイヤー無しだと一般的なダットサイトとあまり変わらなかったとのこと。

この戦闘射撃訓練では他にも通しで300、200、150、100、50mと様々な距離で射撃を行った。どの距離においても対応可能なダットサイトとしてはこのACSS CQBレティクルはそこらのサークルレティクルよりも一定の有効性はあることが確認できた。

この射撃では5.56mm弾を計350発を連続で消費したが、一切の不具合は出なかった。当然である。


他にも空砲弾とエアガン射撃を組み合わせた、夜間におけるビルの制圧訓練を行った。この日は照明を一切使わず暗視装置射撃の習熟のための訓練であったが、前述したように肉眼でも暗視装置でもこのACSSモデルは輝度がちょっと明るいため使いにくいと思える場面が多かった。

そのため、途中からはSLx MD-21の2MOAモデルに付け直した。やはりこちらのほうが輝度のメリハリが優れており暗所で使いやすい。

Conclusion | 総評


何度も言うが下位モデルのSLx MD-21と上位モデルのGLx MD-21sとの違いはソーラー給電システムがあるか無いかだけ。これだけの違いで格付けを一つ上げるほどのことか?という疑問は多少あれど、価格差は2MOAモデルで40ドル(159ドルと199ドル)、ACSSモデルではたった20ドル(199ドルと219ドル)と少なく、リーズナブルな提案ではないだろうか。

エコ信者ではないのでソーラーパネルなんていらない?じゃあお安くどうぞ。電池が手に入らないディストピア世界に備えてソーラー給電が欲しい?ではシェイクシャックのセット1~2回分を我慢していただけるだけでご提供できますよということだ。


残念なのは手放しでどれも素晴らしいのでお好きなモデルをどうぞと評価できない点だ。ACSS CQBモデルは暗視性能に不満がある。これは評価が高かった2MOAモデルと比較するとより顕著に感じる。

また、シェブロンの大きさっていうかデザインもそろそろ改良したほうが良いのでは?と思える場面があるのも事実だ。このシェブロンはプライマリーアームズのトレードマークかもしれないが万能ではない。

そしてこれらの不満点はその他優れている点を考えるとまだ許容できるが、一番の問題は品質が安定しないレンズグラデーションである。格安ダットサイト市場を独占しつつあるホロサンに対抗するには、まずこの点を改善すべきだ。素晴らしい品質の個体を引いてしまったSLx MD-21を隣に置いて比べてしまうとそう思ってしまう。

本製品の購入等に協力してくださいました、デザートカウボーイ様に感謝いたします。本製品はデザートカウボーイ様にて購入可能です。お財布に嬉しい特価販売だけでなく、海外製品で不安になる保証や修理の対応もしてくださります!

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SLxモデル2MOAモデルのレビューはこちら ↓ ↓

【レビュー】 Primary Arms – SLx MD-21 & GLx MD-21s (SLx編)