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ジャンル:メガネ

個性あふれるアンダーリムフレームのメガネの中でも、より異彩を放ち、より美しい曲線美を見せつけるFACTORY900の人気モデル。

執筆時期:2018年8月

SPECS │ 性能諸元

メーカー名(メーカー国・製造国) FACTORY900(日本)
サイズ(レンズ横幅-ブリッジ幅-テンプル長) 56-17-130
重量(-3.50Dの度付きレンズ搭載時) 30グラム
レンズカーブ 4
カラー 黒、グレー、赤ササ、ピンク、パープル、ターコイズ(本製品)
価格 35000円~40000円前半

エロティシズムすら感じられる滑らかで刺激的なデザイン


以前、「ALOOK eEVOL」のレビューをした時、日本には判を押したような大人しく同じようなデザインのメガネしかないと暴言めいた事を口走ったが、けしてそんな事はない。我が国にも奇抜でユニークなデザインのメガネはある。メガネが5千円以下で買えてしまう昨今では高く感じるものの、3万円以上のお値段をかけるとどこの異次元や星からやってきたのか?と問いかけたくなるような素晴らしいデザインのメガネが出てくる。特に個性の塊のような国内眼鏡メーカーを挙げると、Less than humanや、Factory900は外せないだろう。一度この二社のホームページを覗いてみるといい。オシャレなメガネから、デザインに全力を注いで実用性が皆無になったメガネまで様々なメガネがある。きっと今までのメガネの概念をぶち壊されることだろう。

今回は、Factory 900の奇抜なデザインながらも人気商品であるFA-295を紹介しよう。


まず全体像を見ていただきたい。実に官能的なデザインだ。しばし眺めていたい気持ちに駆られ、メガネではなく一つの芸術作品のようにも思えてくる。

今回選んだカラーはターコイズ(No.544)をチョイスした。赤っぽい色合いが鮮やかなピンク(No.346)と迷ったが。他にも黒、グレー、パープルにべっこう色の赤ササというカラーリングもある。


正面から。様々なメガネのフレームデザインの中でも、個性が光るアンダーリムフレームだが、この製品はその個性とデザイン性をより昇華させている。流れるようなラインに、両端のトメ・ハネがアクセントになっている。


折りたたんだ状態。折りたたんでも、メガネが安定し、なおかつ全体的なデザインコンセプトが崩れることがない。このメガネの特徴の一つである、ニュッと水鳥のように伸びたブリッジ部だが、これが降りたんだ時に指でツマミやすく、持ち上げやすい。

美しいラインの上にレンズが浮いているように乗っかっているようだ。


内側は少し黄土色のニュアンスを含んだ灰色で統一されている。これにより、このターコイズやピンクのような派手な色がグッと引き締まり、落ち着きも出てくる。


ひっくり返した状態。こう見ると、ハーフリムフレームのメガネにも見えてくる。事実、いろんな友人にメガネをひっくり返してかけているのか?と言われたことがある。

このデザインでハーフリムフレームが欲しいなという人は、同社のFA-298FA-296FA-323、辺りがオススメだ。

さて、私はメガネとして利用しようと考えたが、何よりこのメガネ本体だけでも昨今のメガネ情勢から考えるとまぁまぁのお値段だ。故に、度付きレンズは安上がりで済まそうと、このフレームだけ持って社外メガネ持ち込みOKの店に出向いたが、これが意外と難しかった。このメガネ、ナイロンワイヤーで固定されているタイプだが、ご覧の通り少し変わった箇所で留められている。それにある程度のカーブが付いたモデルで、こんな珍妙奇天烈な形なので、JINSや田中メガネではムリムリ…と断られてしまった。さて、困ったものだとメガネ市場へ駆け込んだが、店員もこんなフレームは初めてだとかなり不安そうな顔。難しいと思うが、とりあえず数日いろいろと試してみますと、預けてみた。はて、一時間もしないうちにメガネ市場から電話がかかってきた。こりゃ凶報臭いなと恐る恐る電話を取ると、意外にもすんなり付きましたということで一件落着。感謝の極み。


上から。ブリッジ部の出っ張りはレンズ部から1.5cmほど前方に出ている。


フレームやテンプルをよく見てみると、外側と内側の間は透明になっている。


テンプル部。右側にはメーカー名と日本製であることの表記。

テンプルはニュッと曲がったカーブを描いており、フィット感の向上になっている。

ヒンジ部はスプリングヒンジで柔軟性がある。

ちなみにファクトリー900は、メガネの聖地鯖江にある「青山眼鏡株式会社」が2000年に始めた自社ブランドである。名前の由来は、自社に与えられた眼鏡工業組合番号の900番から取ったとか。


重量は-3.50Dの度付きレンズを挿入して30グラムほど。奇抜なデザインながら掛け心地は意外に悪くない。

フレーム両端のV字にデザインされた部分の内部は少し塗装によれがある。


当初この眼鏡には度の無いライトブラウングレーのレンズが装着されている。UVカット機能付きなので、メガネっ子じゃない人もそのままサングラスとして使用可能だ。

いろいろ廻った挙げ句、ようやくメガネ市場にて度付きレンズを挿入してくれた。レンズは伊藤光学工業株式会社のレシナンテのスクラッチシールド付きのもの。通常の度付きレンズよりも3000円ほど値は上がるが、傷に強いだけでなく、油や泥の汚れにも対抗でき、本格的なPCメガネでは無いにしろ、若干のブルーライトカットの機能もある。私は、ブルーライトカットレンズの色味が暖色系に変わるのが仕事柄上あまり好きではないのだが、これはそこまで気にならないレベルなので気に入っている。

とは言え、手間賃込で15000円前後、このメガネ本体も合わせると50000円を超えるので、オークリーのフレームにRXレンズを挿入した価格と同じくらいになってしまった。


付属のメガネケースとレンズクロス。


例によってお世辞にも美しいとは言えない私に変わって、マネキンヘッド君にFA-295をかけてもらった。実に美しいラインを描くメガネだ。

マネキンヘッド君は成人男性よりも一回り小さめの大きさなのでご了承を。


一見すると、特異なデザインであるため、掛け心地が悪そうであったり、すぐ外れやすそうに見えるかもしれないがそんなことはない。

テンプルやブリッジ部の絶妙な角度や設計で、掛け心地は意外にも良いのだ。顔を振ったり、ジャンプしたりした程度ではビクトもしない。

鼻に載せるノーズ部分は、樹脂フレーム一体型なので、油顔の人は少々ずり落ちてきやすくなる。

水鳥のようにニョっと出たブリッジ部は、メガネを微調整する時の指でクイッとする、メガネっ子専売特許のあの動作時に指がかけやすくて良い。くせになる。


側面。カラーラインナップはいろいろあるが、やはりこのメガネはターコイズやピンクと言った鮮やかな色が実に映える。


正面から。アンダーリムのメガネは人を選ぶと言われているが、このメガネもそうだろう。私個人としては細身の顔立ちの人に似合うと思う。(私が似合っているとはお世辞にも言えないが…)

とは言え、このユニークで美しいデザイン、鮮やかなカラーラインナップを考えると、意外にもふんわり穏やか系の女性がかけてもそのギャップで似合う。イメチェン目的や、ワンアクセントだけ主張するモノを付けたいという時にもこのメガネはオススメだ。