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ジャンル:迷彩服

狩人達からの支持が高く、まるで山林に溶け込むかのようなモッシーオークの迷彩服。その中でも、日本の山林でも抜群の迷彩効果を発揮するオブセッション迷彩を採用した、ギアを紹介しょう。

執筆時期:2018年10月

Mossy Oak(モッシーオーク)とは?

まずモッシーオークとはなにか?これはアメリカにあるアウトドアギアのメーカー名であり、このメーカーがデザイン販売している迷彩パターンの名前でもある。最大の特徴は、従来のメーカーや軍が考案した迷彩パターンが「模様」をプリントしたものに対し、こちらはまるで山や森林の一部を切り出したかのような「リアリティの高いイラスト」をプリントしている点だ。これにより、自然環境下ではまるでその地その地の植生に溶け込めるかのような迷彩効果を発揮することができる。

現在(2018年10月)モッシーオーク社が販売している迷彩パターンは以下の種類がある。(名称をクリック or タップでイメージ図)

Mossy Oak Bottomland:モッシーオーク社元祖の迷彩パターン。ブナやオークといった落葉樹の幹を模した迷彩パターン。七面鳥狩りで奴らに少しでも近づける効果的な迷彩はないものかと編み出されたとか。

Mossy Oak Break Up Country:上記のボトムランドをコンセプトに、まるで本物そっくりのリアルな幹、落ち葉、枝を描いた迷彩パターン。枯れ木や落ち葉の多い、秋~冬の山林では抜群の迷彩効果を発揮し、森と一体化できるその様子から、まるでプレデター(地球にやってきては騒ぎを起こす迷惑異星人の方)のようだとハンターから称賛され、モッシーオーク社の知名度を高めた。

Mossy Oak Obsession:春~夏の森林での使用をイメージした迷彩パターン。今回紹介するのはこちら。

Mossy Oak Shadow Grass Blades:イネ科の枯れ草を模した迷彩パターン。鴨がよく集る水辺に生えている草むらの中で、じっと潜んで好機を伺う狩人のための迷彩パターンだ。

Mossy Oak Break Up Eclipse:獲物を待ち伏せするための、小屋(ハイシート)やテント、岩の影で、より人間の輪郭を消す効果が高い迷彩パターン。夜間や暗所で有効な迷彩でもある。

Mossy Oak Mountain Country:雪がちらつく岩場や山林での使用を想定した迷彩パターン。冬の鹿狩りでよく使われるとか。

Mossy Oak Elements:水面のゆらぎや反射をイメージした迷彩パターン。釣り人向け。

モッシーオーク社は、これらの迷彩パターンを自社だけでなく、他者のアウトドアギア、アパレルブランドにも販売している。

ちなみに、このモッシーオーク社のような自然に忠実な迷彩パターンを販売するメーカーとしてはRealtree社が有名だろう。

なぜMossy Oak Obsessionなのか?

学生時代、私はサバイバルゲームにて日々野山を駆けずり回っていた。そして現在も、エアガンから実銃に持ち替え、野山を駆けずり回っている。お察しの通り、私の知能レベルは思春期、下手をすると5才児から何も変わっていないかもしれない。変わったと言えば、多忙なためサバイバルゲームに参加できる機会は年に2,3回程度になってしまったことだ。


写真の中に私が隠れている。さてどこか?

※画像クリックで拡大可

遊び感覚で銃のオモチャを振り回していた時と比べ、研究感覚で銃を振り回しだしてから、自分の戦術に合致した迷彩服の必要性に気づいた。学生当時は、当時デジタル迷彩として斬新だった、アメリカ合衆国陸軍のACU迷彩や、SWATを模した黒い迷彩服をコスプレ感覚で着用していた。しかし、ご存知の通りこれらの迷彩服は日本の野山ではよく目立ってしまい、動く的のボーナスキャラと化してしまう。また、実際に職務でこれらの迷彩服を着用している人たちと密に接していると、どうにも彼らの誇り高きユニフォームを私ごときが遊びで着用することに気が引けてきた。

かといって二型迷彩を使うのはこれはこれで嫌だった。この迷彩服を使用する組織に片足どころか、半身を突っ込んでいる奴が何を屁理屈をこねているのかと言われるかもしれないが、私ごときが、某国国防組織の一員なのかと思われたくもないし、こういう遊びの時くらいは私は私でいたかった。やはりただの屁理屈だ。


こちらが二型迷彩。ちなみに、このブーニーハットは、偵察部隊にいた頃に使用していた。重っ苦しい鉄帽ではなく、軽々しい帽子をかぶって少人数、場合によっては単独で野山をコソコソできたのは実に楽しかった。

ちなみに、二型迷彩は現在流行りのデジタル迷彩等に比べると少し時代遅れな感じがするかもしれないが、日本の野山の植生を実によく研究した迷彩なので、こちらもかなり溶け込むことができる。当時、訓練も兼ねた隠れんぼ(捕まると裸にされる)で、教官陣営がわずか数十センチの距離まで近づき死を覚悟したが、何と見つけられずにやり過ごすことができた。実に優秀な迷彩服なのでオススメだ。

となると、民間で使用・販売されている迷彩服が良い。民間とはいえバカにできない。人間よりもはるかに高い危機察知能力を持った動物相手に立ち向かうハンター向けの迷彩服は、技術や経験の塊だし、軍や警察といったお役所では、とうてい思いつけないアイデアに満ち溢れた製品が多い。そこで辿り着いたのが、Mossy Oakの製品の中でも、日本の野山に向いているObsession(オブセッション:妄想や執念、取り憑かれるという意味)をチョイスした。


この実にリアルに描かれ、プリントされているイラストを御覧いただきたい。正面から堂々と戦うことが苦手で、コソコソと裏で動き回る戦法ばかりする私にピッタリな迷彩服だ。また、カッコイイというよりも、ユニークさやユーモアすら感じられる様子も好きだ。

このジャケットというかシャツは、スポーツウェアでお馴染みのアンダーアーマー製のものだ。

日本ではスポーツ以外では馴染みないが、アンダーアーマーは本国アメリカでは軍用やハンティング用のウェアも多数そろえている。

100%ポリエステルで、実に軽い。軽くてペラペラだが、全体的にリップストップ加工やボックスステッチが施されており、バックパックやサスペンダー、銃器のストックやスリング等で負荷がかかりやすい肩部分には、より強力に補強されている。サバイバルゲーム時には、いつもイバラの山中を藪こぎするが、破れた様子は一切ない。意外と頑丈だ。


両胸ポケットの他にも、左胸にはさらにファスナー式のポケットがある。中はメッシュ生地になっているので、ここを開けることでより通気性をよくすることが可能だ


背面にも、横一列に渡って通気用の加工がされている。相手の裏をかこうと、重いギアを装備した状態でとっとこ動き回る私にとって、夏だろうが冬だろうと通気性が良いにこしたことはない。そういう意味でも、サバイバルゲーム用の服装は、この手の軽くて通気性が良いものを私はチョイスする。

また、汗だくになったり、洗っても少し放置しておくだけですぐに乾くのも良い。昼食をとっている間に干しておき、午後からのゲームにまたサッパリとした服で再開できる快適性がある。

残念なことに、現在アンダーアーマーは(2018年10月)、モッシーオークの迷彩パターンを利用した多くのウェアが、廃盤となってしまっている。良い製品が多かっただけに残念だ。


パンツは、ハンティング用ウェアを販売している10Xのものだ。(製品名:10X Men’s Ultra Lite Mossy Oak Obsession Performance Pant)

おそらくだがこちらの10Xも、アウトドアブランドのWallsに買収され、現在ではWallsブランドでの販売が主であり、10X製品は流通在庫のみと思われる。(要検証)

ポケットは全面両側面に4つ(うち2つはジッパー式)と、後ろに2つある。


こちらも100%ポリエステル製で軽く、リップストップ加工がされているので弱そうに見えて破れに強い。

両者とも、服がこすれるカサカサ音は、綿の服と比べると大きいが、隠密行動ができない程ではない。


欧米製のズボンを買った際に困るのが、どんだけ小さなサイズを買っても足が長いことだ。特に私のような短足野郎の場合、たいてい余る。そんな時、ゴム紐を靴下を履いた足首に巻き、そこにズボンの裾を巻きこめば、ピッタリな長さになり快適に動ける。ちなみに、写真はそれ専用のゴム紐(足ゴム)だ。自衛隊の駐屯地の売店や、通販でも手に入るので、このような長めのアウトドア用パンツを持っていて困っている方にはオススメだ。


バッチリと迷彩服で着飾っても、頭部が目立つことによって敵の攻撃を頂戴するシューターは数多い。ということで帽子も同迷彩の商品を購入した。

メーカー名はかなりマイナーだったので忘れたが、他者のMossyoak Obsession製品よりも暗めだ。故にあまり合わない。

全体がメッシュ生地なので通気性が良く、同迷彩のフェイスマスクが帽子内部に収納されているユニークなハンティング用品だ。これにより、一番目立つ顔面を隠すことができるのでドーランも不要だぞ!

ツバにある謎の突起は、記録撮影用のアクションカメラを取り付けるため、私が三脚用ネジを装着加工した。

野山に溶け込む迷彩


さて論より証拠、実際にこの迷彩服を着て野山に溶け込んでみよう。

こちらの写真で私はどこに隠れているのかおわかりだろうか?本気で隠れているわけではない。少し茂み入ってしゃがんでいるだけだ。


ここだ。うまく周囲の植生と自分の迷彩を合わせると、ちょっと隠れただけで相手が自分を見つけるのは困難になる。ちなみに、この場合は大してブッシュは濃くないので、こちらから相手は丸わかりで、射撃も容易だ。


つる草やコケが生えている岩場との相性も意外と良い。地を這うトカゲとなって獲物に忍び寄ることが可能だ。場合によっては、廃墟や自然が多い人工物でも使用可能だ。


ともかく、春~夏の山林にはスッと溶け込むことができる迷彩だ。ただボーっと立っているだけでもここまで溶け込めれる。特に下半身はまるで消えているようだ。Photoshopで誤魔化しているわけでも、死んでいるわけでもないぞ。

やはり帽子だけ色味が違うので目立ってしまうのが残念。


一つ注意なのが、青々と茂る野原では、植生をよく考慮しないとこのように逆に目立ってしまうことも多いので注意だ。これでは獣に鼻で笑われ、人間からは良い的だ。


このように、緑一色ではなく、木や枯れ草等の迷彩服に合った植生を選んで忍び込むべきだ。狩る側が狩られる側になってはいけない。


やはりこの迷彩が真価を発揮するのは山の中だ。今まで、私が無警戒でしゃがみ込んでギアや銃器の調整をしている最中に、敵が出てきて肝を冷やしたが、敵は気づかずやり過ごせれたことは幾度もあった。


伏せるといよいよわからなくなる。こんな迷彩服を着て山の中で行き倒れても誰も見つけてくれないだろう。南無。


プリントされている通り、樹木との相性は良い。


木の模様や色をよく選んで沿うと、ブッシュ等がなくてもある程度立っているだけで隠れることができる。この主は何をしているのかとうちの警備員が呆れているが気にしないように。


※画像クリックで拡大&答え表示

最初の問題の答えだ。また、別の場所に大して隠れず四つ這いになってみたが、これも少し目を離したカメラマンは見失っていた。

実に日本の野山の植生にも合った迷彩パターンだ。各国の軍隊や治安維持機関の格好良い迷彩服やコスチュームも良いが、見えないハンターとなって狩りを行うのも実に痛快だ。プレデターが右往左往する男どもをどんどん狩っていた楽しみが少し理解できるだろう。