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ジャンル:マルチツール・十徳ナイフ
ビクトリノックスのルーペ付きマルチツール
執筆時期:2020年3月
SPECS | 性能諸元
メーカー名(生産国) | VICTORINOX(スイス連邦) |
全長 | 8.5cm(収納時) |
重量 | 110グラム |
ナイフ刃渡り | 5.5cm |
ナイフ刃厚 | 1.3mm |
国内価格|購入価格 | 8000円 | 47ドル |
日常に寄り添ったマルチツール
米国を代表するマルチツールがレザーマンなら、欧州を代表するのは満場一致でスイスの老舗ナイフメーカーであるビクトリノックスだろう。人によっては、世界を代表するマルチツールメーカーと言っても過言ではなかろう。真っ赤なボディにスイス国旗を模したロゴマークのマルチツールは、ナイフやマルチツールに詳しくない人でも、アウトドアショップやホームセンター等で見かけたことがある人も多い。
→同じくスイスでそっくりなナイフを作る「ウェンガー (WENGER)」というメーカーがある。ビクトリノックスもウェンガーも同じくスイス軍にツールナイフを卸し、ライバルでありながら協力関係にもあったようだ。現在は、ビクトリノックスの傘下となっている。
今回レビューするビクトリノックスのマルチツールは、ルーペが付いた持ちやすいグリップが特徴的な「 エボリューション23 」というモデルだ。ビクトリノックス好きな友人が、所持していた同モデルをハイキング中に紛失してしまい、同じ物を安く購入して欲しいと頼まれた。海外のショップでセール中だったものを見つけ、レビュー用に拝借した。
●パッケージは簡素な紙箱である。
●付属品は各ツールの説明書と保証書。ビクトリノックス製品は永久保証を謳っている。
●ビクトリノックスのマルチツールお馴染みの真っ赤なボディだ。全長は約8.5cmほど。
●厚みは約2.7cm。
●エボリューションシリーズの特徴とも言えるのが、グリップしやすいようにえぐれたグリップ部だ。
●ルーペ等少し多めのツールが挿入されている分、少し厚みはあるが、グリップしやすいマルチツールだ。
●ツール数が多くなると、基本的に幅広で厚みの薄いレザーマンか、幅は狭いが厚みのあるビクトリノックスか。あなたはどちらを選ぶ?
TOOLS │ 収納ツール・機能一覧
1:缶切り 2:ナイフ 3:ハサミ
4:ルーペ 5:ノコギリ 6:マイナスドライバー・栓抜き・ワイヤーストリッパー
7:ピンセット 8:爪そうじ&やすり 9:爪楊枝
10:コルク抜き 11:千枚通し
ナイフ
●刃渡り5.5cm、刃厚1.3mmのナイフ。ロック機構は無い。
●ナイフ素材は特に表記されていないが、おそらくステンレス系かと。
●切れ味は私物のレザーマンJuice S2と同じくらいか少し下回るくらい。果物やちょこっとした紙類を切るのに適しているだろう。
ハサミ
ルーペ
●刃渡り2.1cmほどのマルチツールによくある小さなハサミだが、両刃とも微細なギザ刃になっている。それ故、対象物をガッチリと掴むので、ティッシュ等でも刃が滑りにくく切れやすい。
●ハサミのバネ機構は、ビクトリノックスのハサミによくある薄い板バネ式ではなく、耐久性と反発力のあるソリッドレバー式だ。
●ルーペは2~2.5倍率ほどか?1.15cmほどの小さなレンズ径で、湾曲収差も大きいのであまり使い物にならない。指に刺さった棘を見るのに辛うじて使えるくらいか。
ノコギリ
爪そうじ&やすり
●刃渡り6.4cmほどのノコギリ。こちらもナイフ同様ロック機構はないので、あまり本腰を入れて切るのはやめたほうがいいだろう。
●紳士淑女の身だしなみは手先も抜かり無く。爪そうじと爪やすり付き。暇つぶしにも使っている人も多いと聞く。
缶切り
マイナスドライバー・栓抜き・ワイヤーストリッパー
●ビクトリノックスの缶切りは、基本的に押し切るタイプのもの。我々日本人がよく利用する引き切るタイプではないので悪しからず。
●反対側のツールは5mmのマイナスドライバーと栓抜きだ。さらに、栓抜き下のツール根本にある丸い凹みは、ワイヤーストリッパーとなっており、ハサミで切れ込みを入れた配線コードの被膜をスルリと剥くためにある。
ピンセット
爪楊枝
●ビクトリノックスお馴染みのピンセットと爪楊枝。このようなツールを見てもわかるように、工具としての意識が強いレザーマンと比べ、ビクトリノックスは日常生活に寄り添ったツールが多い。
●エボリューションシリーズでも、グリップがウッド仕様になっているタイプのものは、素材の関係上これらのツールが無い。
コルク抜き
千枚通し
●こちらもビクトリノックスお馴染みツールのコルク抜きと千枚通し。
●千枚通しには、刃体中央付近に穴があり、そこに糸を通して縫い物ができるようになっている。刃体の大きさからして衣服には向かず、テント等の補修で使うようだ。
●縫うかどうかは置いといて、千枚通しはちょこっとした穴あけ作業で意外と使うことが多いのであったら嬉しい。
友人は、このルーペを用いてアウトドアで刺さった棘や草木を見るのに役立つと言い、このエボリューション23を愛用しているが、私の用途だとルーペはいらない。エボリューションシリーズの中から何か選べと言われたら、よりツール数が少ないエボリューション14かエボリューション17を私はチョイスしたい。