ジャンル:マルチツール・十徳ナイフ
プライヤーが付いたマルチツールが特色のレザーマン。スタンダードであるフルサイズモデルから、お求めやすい廉価版がいくつか出た。今回はその中でも様々な方向に使いやすく、私のアウトドアの相棒でもあるWINGMANを紹介しよう。
SPECS | 性能諸元
メーカー名(生産国) | LEATHERMAN(アメリカ合衆国) |
全長 | 9.7cm(収納時) |
重量 | 198.4グラム |
材質 | ステンレススチール |
一般価格(購入価格) | 日本:9700円 | 米国:39.85ドル(米国のショップにてMICRAとのコンボセットを50ドルで購入) |
TOOLS | 収納ツール・機能一覧
① ニードルノーズプライヤー
② レギュラープライヤー
③ ワイヤーカッター
④ ハードワイヤーカッター
⑤ 420HC直刃・波刃ナイフ(刃渡り6.6cm)
⑥ ハサミ
⑦ 平型プラスドライバー
⑧ マイナスドライバー(大)
⑨ パッキングオープナー
⑩ ヤスリ
⑪ マイナスドライバー(小)
⑫ 定規(1インチ&2.54センチ目盛り。本体裏に設置。)
⑬ 栓抜き&缶切り
⑭ ポケットクリップ(トルクスネジにより取り外し可。本体裏に設置。)
⑮ ストラップホール
各ツールレビュー | ウイングマンは翼をさずける
① ニードルノーズプライヤー
② レギュラープライヤー
③ ワイヤーカッター
④ ハードワイヤーカッター
廉価版とは言え、安かろう悪かろうは無い。普通のプライヤーとして十分使える。やはり、プライヤーとしてストレス無く使えるのは、フルサイズクラスならではだろう。これは好みが分かれると聞くが、プライヤーにはバネが内蔵されており、繰り返し作業でも苦が無い。このスプリングはこの廉価版ながら付けてくれたのは助かる。噛み合わせは、さすがにWAVE等のフラッグシップ機と比べるのは良くないが、許容範囲内。ちなみに、ハードワイヤーカッターは通常のワイヤーカッターの付け根が凹んでいるところ。太いワイヤーは通常のワイヤーカッターで切ろうとすると、刃を傷めたり、本体に大きな負荷がかかるのでこちらで。
⑤ 420HC直刃・波刃ナイフ(刃渡り6.6cm)
全開まで開くとロックがかかる。サムホールがあり、ワンハンドで展開可能。切れ味はそこそこだが、そこまで厚みはないのであまりハードな扱いには向かない。
⑥ ハサミ
こちらも全開まで開くとロックがかかると同時に、ハサミのバネもテンションがかかるようになる。生活シーンでよく使うツールなので、収納時でも展開可能なのは嬉しい。こちらも切れ味はそこそこだが、刃はペラペラで、要(ハサミを留めてる交点部品)はカタカタ動くので、ちょっと硬いものや精密な切れ味は期待しないほうがいい。
⑦ 平型プラスドライバー
基本使いにくい平型プラスドライバーだが、大きめなのでまぁまぁといったとこ。ちょっとシメ直す程度なら問題ない。
⑧ マイナスドライバー(大)
こういう大型のものは助かる。ちょっしたスクレイパーとしてもOK。
⑨ パッキングオープナー
これが個人的に最高に使いやすい。他のマルチツールにも導入してほしい機能。梱包物を開ける時に、中身を極力傷つけず、テープや紐部分のみを素早く切れる。特に、みんな大嫌い!な開け口の無いブリスターパックの開放に役立つ。
⑩ ヤスリ
無いよりはマシ程度。主に金物や木製用で、爪やすりには向かない。
⑪ マイナスドライバー(小)
ヤスリの先端。
⑫ 定規(1インチ&2.54センチ目盛り)
残念ツール。ヤスリの裏が定規となっており、ご丁寧にインチとセンチの目盛りにわけてくれてはいるが、3センチも無い長さで先細っていく形状に加え、微妙に凸凹があるので何を測ることを想定しているのか不明。自分の成長を測りに来たペンギンの赤ちゃんも途方に暮れている。
⑬ 栓抜き&缶切り
贅沢さえ言わなければ普通に使える。
と、WINGMANの機能はこんな感じだ。その他、同価格帯のフルサイズ廉価版モデルで、「SIDEKICK サイドキック」(ハサミの代わりにノコギリに変更)、「REV レブ」(ハサミが省略され、さらにお安く)というラインナップがあるので、自分の使用シーンに合わせて購入するのが良いだろう。
気兼ねなくガシガシ使えるフルサイズ レザーマン
各ツールレビューを見ると、あまり良くない印象を受けるかもしれないが、総合的に見れば安くてもやっぱりレザーマンだなという安心感を持って使える。安いところで買えば、日本でも5千円以下で手に入れることができ、精密な作業や贅沢さえ言わなければ、各種ツールは普通に使える。さすがにコーティング等は最低限しかされておらず、錆等は少し早めに来てしまう。しかし、WAVE等の他のフルサイズクラスは、1万円後半から2万円以上するものが多いので、こちらはガシガシ使って使い倒すべきコストパフォーマンスに優れたツールと考えるのが良い。アウトドアや日常でこき使い、最悪紛失したり破損してもダメージは小さい。また、フルサイズクラスとは言え他のフルサイズクラスよりも一回り小さいのも携行しやすくて良い。これからもよき相棒として役立ってくれそうだ。
(↓画像のクリスタルガイザーは500ml。また、ウイングマン以外のマルチツールは、小さいのがガーバー社ショートカット、大きいのがレザーマン社MUT EOD)