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ジャンル:スリーピングマット

最低限の厚みと長さを追求したミニマリスト向けのスリーピングマット。

検証人数:4人

執筆時期:2024年9月

SPECS | 性能諸元(公式)

 メーカー名(生産国) EVERNEW(日本)
サイズ(全長x全幅x厚み) 1250 x 500 x 5mm
重量 200グラム
素材 架橋ポリエチレンフォーム
価格 3630円

Pros & Cons | 一長一短

※ここはあくまで、KUSEMONO TACTICALが想定する使い方、視点から見た一長一短です。

※一長一短をわかりやすく表記しているだけであり、項目の数や内容、順番による採点評価ではありません。

優れている点 携行性・即応性・耐久性の三拍子が揃っているスリーピングマット
  求めやすい価格
  アイデア次第でスリーピングマット以外にも活用できる
改善を要する点 横幅を折ることができる折り目があると尚良い(かも?)
  断熱性能が低い

快適性と妥協の狭間で


我々日本人にとって、睡眠時間もその質も改善が急務である。これに関しては厚生労働省や経済産業省も健康寿命や生産性の低下を招くと警鐘を鳴らしている。睡眠は心身の修復や回復だけでなく、脳内記憶や情報の整理整頓であるデフラグも行っている。言わばハードウェア・ソフトウェア両面のメンテナンス時間であり、それを疎かにすると言うことは心身や生活、仕事や人生に対する破壊工作を行っているに等しい

だが日本人は本当に休むことが下手くそだ。かく言う私も多忙を言い訳に人のことがまったく言えない睡眠事情である。とりあえず睡眠時間は置いといて、その「質」を向上させるには、バランスの良いライフスタイルや睡眠環境に加え、個々人に合った寝具の選定が重要である。だが、野外に繰り出している兵隊がエアウィーヴやテンピュールのマットレスを背負って行くわけにはいかない。そこには、古今東西個々人によって様々な快適性と妥協のせめぎ合いがある。

我がサイトをよく見てる人は「あ、こりゃ前置き長くなるな…」と感じていることだろう。その通りだ、飛ばしてくれていいぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 


ちょっと私個人の野外寝具遍歴の話をしよう。幕府陸軍にいた頃、偵察隊に配属された私は先輩方から、「偵察隊は心地よくテント内のベッドで寝れると思うな、車中泊どころか山中でゴロ寝をすることも少なくないから「仮眠グッズ」を揃えておけ!」と言われる。人の言う事をよく聞く従順な私は、先輩方のアドバイスをガン無視し、数百円のレジャーシートと官品の雨合羽で良いだろうと判断。運良く山中でゴロ寝するような機会は真夏ばかりだったので当面は余裕だったが、災害派遣や長めの訓練に出会わすと、そのような低いQOL(生活の質)態勢ではまずいと気づく。

その後はエアーマット+レジャーシート→1回の使用で穴が空き解雇→クローズドセルマット→携行するにはかさばって邪魔…→やっぱレジャーシートと雨合羽でいいということで振り出しに戻ってしまう。


過酷な軍務における仮眠の大切さは重々承知している。ウォルター・リード米陸軍研究所の論文によると、十分な睡眠が確保できない時にいかに「戦術的仮眠」を行うかで、睡眠不足から生じるパフォーマンスの低下を緩和させることが可能だという。もちろんだが、心身の回復に必要な主となる睡眠同様に、戦術的仮眠においてもその「時間」や「質」を無視してはいけない。

レジャーシート+雨合羽なぞという組み合わせは、どう考えてもその「質」という面を舐めてかかっている。様々な任務や訓練を経験し、戦術的仮眠の「質」も大事だと身を持って実感した私は、その後も様々な試行錯誤を繰り返し今に至る。しかし、私の戦術的仮眠の「完成形」が今だ構築されていないのは、大部隊から離れ、敵陣を偵察する者にとっては仮眠グッズの「快適性」に対して「携行性」と「耐久性」の両立がなかなか難しいからだ

そんな中、見た目は地味子・中身は武闘派アウトドア趣味の我が研究会撮影モデルであるクロコちゃんが、某訓練にて謎の黒い折り畳みマットを持ってきていた。それが今回紹介するEVENEW社の「FP mat 125」である。


一見ホームセンターや東急ハンズから買ってきた業務用工作資材のようなその物体。ロゴや何かしらの表記等は一切無く、初見だとこれがスリーピングマットの類にはまず見えない。

折りたたみ式の五つ折りであるFP mat 125は、展開すると製品名通り125cmの長さになる。


このマットの素材は架橋ポリエチレンでできている。まずポリエチレンはレジ袋や保存袋の他、薬品や液体を入れる容器等で我々の日常や専門分野を問わず幅広く使われている素材である。そのポリエチレンを網目状に化学結合させ、超高分子でタフに鍛え上げたものが架橋ポリエチレンである。

手触りに関しては、果物等の保護や梱包に使われるポリエチレンのフルーツキャップをさらにザラつかせたような感じだ。少なくともそこらのスリーピングマットのような心地よい手触りではない。

また、硬さに関してはわずかに弾力はあるものの密度のある硬さとなっている。子供部屋によく敷いているジョイントマットよりは硬く、畳と同じくらいの硬さかなといった塩梅だ。


表面には微細な穴が空いており、使用時の損傷具合により完璧に水を通さないわけではないが大部分の水は弾いてくれる。びしょ濡れになったところで払ったり、少し乾拭きしたり風に当てさせるとすぐ乾く。夜露で濡れている地面に敷いて一晩過ごしたが、水が身体にまで浸透して困ったというようなことはなかった。

元々耐薬、耐寒、耐水性の高いポリエチレンだが、架橋ポリエチレンにすることでポリエチレンの弱点だった耐久性や耐熱性が向上している。故に、季節を問わず車内に置きっぱなしにしても大丈夫だ。

ただし、紫外線には抜群に強いわけではないので日光の当たる外に年がら年中出しっぱなしは良くないし、耐火性能は無いので焚き火等には近づけすぎないよう気をつけよう。

架橋ポリエチレンは水道の配管や電線の被覆、自動車部品にも使用されている。

地面が泥だらけで汚れた場合でも、布地や余計な凹凸が無いので掃除やメンテナンスは非常に簡単だ。


スリーピングマットで展開時125~130cmという長さは、携行性を重視しながらも下半身、膝まではマットの上に置いて快適性も確保させたいという人向けの長さだ。

この125cmのFP mat 125だと身長167cmのクロコの場合、頭までマットに置いて膝の上部までがマットに置ける長さ。枕を別で用意して頭を出した場合は下腿の半分くらいまでがマットに置ける。上半身は木やバックパック等にもたれかけて長座の姿勢で座り込んだ場合は足の先まで余裕で入る。

また、膝を立てて仰向け及び曲げて横向き寝をした場合はクロコの身長程度だと全身をマットに入れることが可能だ。

横幅50cmに関しては、女子の中ではごつめのクロコの場合はぎりぎり収まっている感じ。クロコよりヒョロい筆者だと余裕だ。

寝心地に関してはまた後ほど。

折りたたんでも薄くて柔軟性がある自由度


展開時の厚みはなんと5mm、5つ折りの折畳み時ですら25mmと、スリーピングマットとしては驚異的な薄さとなる。

5つ折畳み時は50cm x 25cm x 2.5cmのサイズとなるので、それ以上の内部サイズが確保されている中~大型のバックパック内に収納することができる。

コンパクトにしやすいエアーマットならまだしも、嵩張りがちなクローズドセルマットではやりにくかったバックパック内収納ができる点を評価しているアウトドアユーザーは多い。

また、ポリエチレンならではの200グラムという軽量設計なのも魅力的だ。装備品類に加えても大きな負担になりにくい。

ただし、軽くて薄い板上の物体というだけあって、風には飛ばされやすいので注意。クロコは仲間に貸した際、飛ばされてしまい2枚目を買う羽目となっている。筆者も1度ふとした油断で飛ばされて追いかけ回したことがある。


ちょっとここらで携行方法について語ろう。距離を歩く行軍の場合だと官品の大きなバックパックにすっぽり収納できるが、筆者のように偵察行動時には30L前後のバックパック(写真はJ.M.E. – 102)を持ち出す場合はそのまま中に入れることが難しい。そこで、自転車やオートバイで使用するカゴネットをバックパック背面に設置して収納してみた。

柔軟性があるため、少し折れ曲がる感じになる。背負ってみると意外と悪くなく、適度なフィット感がある。

実際、このマットをバックパックの背面パネル代わりに収納・活用しているアウトドアユーザーは多いし、公式もそのような使い方を紹介しているほどだ。

写真の場合だとカゴネットの圧による曲がり具合から、ちょうど胸椎付近に隙間ができるため完全に密着しているため、そこまで通気性が悪くなることもない。20-30km前後の距離を歩くのであればそこまで苦ではなかった。


また、表面を押した際の圧は硬いものの、マットそのものは柔軟性があるため、5つ折で畳んだ状態からさらに25cm x 25cmの半分に折ることもできる。厚みは圧縮して5cmとなるが、これならばそこまで大きくないバックパック内に収納することもできるだろう。

ただし、折り目が無い部位を折るためもとに戻ろうという反発力は高い。バックパック内に収納する場合はゴム紐か何かで括るか留めてたほうがいいだろう。

ここまで折り畳めるように折り目をつけておいてくれたらより携行性や自由度がより高まるだろうが、それをすると耐久性や寝心地の悪化にも繋がるためやらなかったのであろうと思われる。

写真の状態は背中が嵩張り邪魔に感じる。バックパックの内の重量が少なく、短距離程度ならこの手法で行動してもいいかな。


さらに折り畳まずに巻くこともできる。本来巻くように設計されていないし硬さもあるため少しゴワゴワと膨らむが、直径8cm前後には巻ける。

設計から逸脱した折り畳みや巻取りをしても、普通のポリエチレンよりはクリープ変形(長時間力が加わることによるゆっくりと変形する現象)が少ないため、余計な癖や跡は元の形状に戻すと時間の経過と共に回復していく。

長時間変形させた場合は話は別なので注意。

寝心地と快適性、そして即応性


人工衛星を山ほど打ち上げている某起業家は床で寝るのが大好きな変態らしい。まぁ床は硬すぎるにしても、クロコのように畳で寝るのが好き、もしくは苦にならない人にはこの薄いマットはいけるだろう。

薄いとは言え硬さとちょっとの弾力はあるため、地面がゴツゴツとした石や枝が多いエリアでも一定の底突き感は抑えてくれる。設置環境によっては畳やござの上で寝るかのような心地よさが得られる。

ただ物好きを除き、基本的には快適性よりも携行性と耐久性を重視したスリーピングマットである。特にこれを硬い地面で使用する場合は熟睡できなかったり、起床時に身体中が軋むことになる人は多いだろう。

また、これも快適性と共に犠牲になるものだが、マットの断熱性に関しても高くはない。さすがに一般的なレジャーシートやブルーシート、段ボールと比較すると高いが、多種多様なスリーピングマット界の中では最下層クラスであろう。そのためか、スリーピングマットの断熱性能の値であるR値に関しては公表されていない。多種多様なスリーピングマットを取り扱ったことがあるクロコちゃんに曰く、確実にR値は「1以下」であり、夜間の屋外では夏以外での単独使用は推奨できないとのことだ。

比較としてよく挙げられ、後述する「山と道 – MInimalist Pad」と断熱性はほぼ同じか気持ち下回るとの意見がうちの研究員の中でも多かった。


もちろん、この手のスリーピングマットにおいて断熱性が高いほうが季節や環境を問わず使えるのは言うまでもない。だが、前線を行く兵士にとって高い傾向性使いたい時に即使用できる即応性の高さが両立されている意義は非常に大きい。

冒頭で睡眠不足時の戦術的仮眠の重要性を説いたが、疲労蓄積時や今後大きな疲労が予想される際にも戦術的仮眠を取得しておくことは非常に有効な戦法である。そこでだ、「今なら数十分横になって休めるかもしれない…!」と思った際に即取り出せれて、何かあった時に即収納できるこのFP matシリーズは重宝する。これが空気を入れなければならないエアーマットだと時間がかかるし、携行性の良くないインフレーターマットや従来のクローズドセルマットだと邪魔に感じることも多い。

また、薄っぺらいとは言え耐久性も許容範囲内だ。そこらのスリーピングマット同様に鋭利な石や草木で穴は開くものの、そこから穴が広がったり裂けたり、ポロポロと劣化しにくいと他製品と比較して感じる。クロコはこのFP matを購入して3年、私は1年様々な訓練や研修、業務等で使用してきたが目立ったり許容できない劣化や損傷は見られない。携行性・即応性・耐久性…複雑化する現代戦を生き抜く武士にとってこの三拍子が揃っているスリーピングマットは非常に少ない。

クロコはこのFP mat 125を、各種訓練や業務、アウトドアイベントのみならず、気分転換がてらによく行う平日車中泊にすら持ち出している。雨風凌げる快適な車内であえて畳のような硬いマットで寝る非日常感に興奮するらしい。お大事に。

寝具だけではもったいない、幅広い活用法


そして我が研究会がこの薄っぺらく、硬く、ザラザラしてるFP matを重宝している真の理由は、スリーピングマット以外にもアイデア次第で様々な使い方ができる点にある

まずは写真のようにササッと何枚か折りたたんだままの状態で座布団として利用できる。クロコが某訓練でこのマットを取り出し、筆者が初めて見た際も、前日の雨で湿ってぬかるんでいる草地に座るために座布団にしていた。


携帯型のアウトドア座布団と違い、折りたたみ枚数次第で胡座をかいてゆったり座ったり、2~3人で座る広さにだってできる。荷物を地面に起きたくない潔癖症にもオススメだ。


また、滑りにくい素材なので寝撃ちや座り撃ち時のシューティングマットとしても、もはや最初からその目的で作ってくれたかのように使える。地面に鋭利な石や砂利が敷き詰めてあったり、凸凹した地形であっても、身体を痛めることなく安定した射撃ができる。

耐火性能はないのでその点は留意し、自己責任の元で使用してほしい。

寝そべったりしながらの警戒・監視任務時にも高い快適性を与えてくれるのでオススメだ。体力や精神力の温存に役立つ。くれぐれも気持ち良すぎて寝落ちしないように。


他にも、野外にて荷物の整理整頓のため店を広げたり、機材や装備品のちょっとした組み立てや分解、メンテナンスを行う際の作業台代わりにもしてる。

あとクロコが野外で着替える際に活用しているのを真似させてもらっているが、地面が汚かったり足や衣類を置きたくない時に、更衣台としても役立つ。ふわふわとしておらず適度な硬さなので床代わりにちょうどいいのだ。

その他FP matを愛用しているアウトドアユーザーの活用方法から参考になるものを挙げると、別のスリーピングマットの損傷防止や断熱性底上げのための下敷きにしたり、くり抜いたり切断したりして緊急時の防寒服やブランケット代わりにすることも可能。これらアイデア次第で多数の活用法を編み出せて使う気になれるのも、ミニマムで高い携行性あってのものだ

他製品との比較

このFP matの他にも似たようなコンセプトで作られた製品はある。それらとの比較を行ってみた。

※今回FP matの検証を行った研究員4人いずれかの使用経験がある製品をピックアップ。

山と道 – MInimalist Pad

こちらもミニマリスト派に非常に人気なスリーピングマット。素材や厚みは同じだが、こちらのほうが100cmと短く柔らかい。

地面に敷いた際、FP matと同等か気持ち上回る断熱性能か。耐久性は比較すると低く、傷や損傷部位からポロポロと劣化しやすい。

ロールタイプでFP matシリーズよりも軽くて、柔らかく同等の断熱性が欲しい場合は買いだ。

個人的にはFP mat同様、同じ厚みで125cmモデルを出して欲しい。

GOSSAMER GEAR – Thinlight Foam Pad 1/8

ロールタイプと折り畳みタイプの2つある。ロールタイプで150cm、折り畳みタイプで180cmと長いが、厚みはなんと3mm、重量はロールタイプで76グラム、折り畳みタイプで94グラムとより薄く軽い。

もちろんその薄さは断熱性の低下に直結しており、R値は0.5とより低い。

何よりも薄さを重視したいユーザー向け。

EVERNEW – FP mat 100

同社FP mat 125の100cmモデル。

125cmモデルと比較すると価格差は500円以下のため、正直FP mat 125を購入したほうが折り目ひとつ分切断すれば同じものができるし、余った部位は好きに活用できるしでコスパがいい。

いや100cmあれば十分だし、余計な部位はいらんという指名買いの人向け。

EVERNEW – Trail matシリーズ

同社FP matシリーズの厚みを9mmに増し、少し柔らかくしてロールタイプにしたような製品。長さは100cmと180cmをラインナップ。

断熱性能(R値)は相変わらず不明だが、少なくとも厚みがある分FP matよりは高く感じる。

この手のロールタイプマットにしては耐久性はあるかもしれないし、コスパも良いと思うが携行性も悪くなっているため、この厚みなら総合的観点からも他製品との優位性があまり感じられないし、より多くの選択肢が出てくる。

Conclusion | 総評


当初、クロコが自分のバックパックからおもむろに工作資材のようなFP mat 125を取り出した際は笑ったものだ。物を知らん素人め、使ってから笑えと貸してもらうと、今までスリーピングマットに10万円以上費やし、一家言ある彼女がこのペラペラのマットを重宝している理由が実によくわかった。

そこで私も購入を考えたと同時にふと思った。「自分でポリエチレンフォームを買ってこのサイズに切れば同じでは?」と。しかしスポーツやアウトドア製品を売って100年の歴史を持つエバニュー社の価格設定(3630円)は絶妙だ。自分で資材専門店や品揃えの良いホームセンターでポリエチレンシートを仕入れてカットすれば似たようなものをまぁまぁ安く自作できるかもしれないが、通販で仕入れた場合はあまり変わらないコストとなる。当然ながら便利な折り目はつかない。

そこらのスリーピングマットとは比べ物にならないほど硬く、しかも断熱性もかなり低い。大事なものを削ぎ落とし、人を選ぶ尖った製品であることに間違いは無く、素人目からすれば何だこれは…と思うかもしれない。しかし軽くて薄く、アイデア次第でスリーピングマット以外にも使えるという他に無い大きな利点がある

また、目まぐるしく状況が変わる現代戦を生き抜く兵士目線から見ても、即展開ができて即薄く収納ができるこの一点だけでも素晴らしい製品だ。状況が落ち着いた間隙を縫っての戦術的仮眠取得を大きくサポートしてくれる。他にも、やれ穴が開いて空気が抜けたりだのと言ったことは無いし、ポロポロと劣化していくその他スリーピングマットでありがちな耐久面での欠点が少なく、掃除等も簡単なのも良い。


私も購入して1年、業務や訓練、趣味や日常生活にと様々な方向性で使わせてもらっている。

この前も台風10号が迫る35℃を超える酷暑の山中訓練にて、過酷な労働環境と、敵役が仕向けたサボタージュにより司令部が混乱の極みとなり、私を含む偵察班は嫌気が差し、速攻で敵主要陣地がよく見える場所で潜伏。あとは状況が変わるまでまったりバカンスと洒落込もうと本マットを敷いて横になり空を眺めていた。世界は安全保障、気候変動や資源問題等がよりどりみどりのビュッフェのように合わさり混迷の極みを日々更新している。しかし夏の入道雲流れる空はなんと平和なことか。最後に空をゆったりと眺めたのはいつだろう…こんな日々慌しく剣呑な日常にも平穏は探せばあるのだと、敵陣地の目と鼻の先でFP mat 125に寝そべりながら感じさせられたまったり心地よい夏の日を過ごすことができた。

この日この平穏な空では、中国軍情報収集機Y-9が台風の様子が心配で、我が国に対してうっかり初の領空侵犯をしてきた。・・・どうやら平穏は遠ざかる一方であり、当面は枕を高くして寝れそうにない。それと同時に、我々にとって有事に備えるための戦術的仮眠と、このFP mat 125の必要性も高まっている。