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ジャンル:メッセンジャーバッグ

高い防水性と大容量が自慢のミッションワークショップの大型メッセンジャーバッグ

執筆時期:2019年8月

SPECS | 性能諸元

メーカー名(メーカー国・製造国) MISSION WORKSHOP (アメリカ合衆国)
サイズ(横×縦×奥行き) 45.72×27.94×13.97cm
重量 1.45kg
バッグ容量 27L
ボディ素材 1000デニールナイロン
カラー ブラック、グレー、オリーブ、ネイビー(本製品)、レッド
価格(購入価格) 21100円(2013年、17000円で購入)

カンガルーもびっくりの大容量メッセンジャーバッグ


かつて、アメリカの多くの自転車乗り達に支持されていたバッグメーカーである「CHROME(クローム)」。その創設者が10年前に産んだバッグメーカーが、MISSION WORKSHOPミッションワークショップ)である。このメーカーのバッグは高い防水性能と収納力に、シンプルなデザインがウケ、自転車乗りやアウトドア野郎達の新たなトレンドとなった。

そのミッションワークショップ社を体現するかのようなメッセンジャーバッグが今回のレビュー製品だ。


こちらがミッションワークショップ社の「The Rummy」だ。カラーはネイビー。

サイズは45.72×27.94×13.97cmと、かなり大型のメッセンジャーバッグで、容量はなんと27Lも入る。

これでもミッションワークショップが販売しているこのタイプのメッセンジャーバッグの中では、ミドルサイズだ。これより一回り大きいもの「The Shed(容量32L)」、一回り小さいもの「The Monty(21L)」とラインナップを揃える。正直、一番小さいThe Montyですら1泊2日分のお泊りセットは楽々と入れることができる大きさだ。

バックルはナショナルモールディング社のバックルを使用している。パット見そこらの安物バッグのプラスチックバックルと変わらないが、信頼性は高い。


片方の肩に負荷がかかりやすいメッセンジャーバッグであり、大容量の本製品であるため、ショルダーパッドは分厚くてしっかりとしたものが備わっている。

バッグをより安定させるためのクロスチェストスタビライザーも備えている。邪魔な場合は取り外しも可能。


肩紐の素材は車のシートベルトと同じものを使用し、頑丈であると同時に、衣服への摩擦を少なくしてくれる。

銀色のバックル部分を持ち上げることで、短くした肩紐をスッと簡単に長くすることが可能。また、短くする場合は末端を引っ張ればいい。バッグの着脱時に素早く行動が行えるので便利だ。

ただ、端末処理用のゴム紐が装備されているとは言え、長さによっては末端部分がブラブラしがちなので、その部分の使い勝手を更に見直してくれると嬉しい。

バッグ表面の素材は、1000デニールのナイロン素材を用いており、同社のHT500やVX素材を用いた上位版に比べると耐久性は劣るものの、非常に頑丈でヘビーな使用をしてきたが損傷知らずだ


肩紐のパーツは強力なマジックテープによってとめられており、取り外すことで肩紐を左右入れ替えることが可能だ。

これにより、利き手や使用用途によって利便性が上がる。

肩紐は使用していると毛羽立ちが出てくることもあるが、6年近く使用して破れそうなことは一切無い。

気になる場合は毛玉クリーナーで簡単に除去できる。


ミッションワークショップの一部製品は、ユニークな機能として写真のように、フラップを流行りのロールトップにすることが可能。

メインフラップをくるくると丸めて、内部にあるマジックテープ付きのフラップでとめる。バックル部分はクイックアクセスカーゴポケットのフラップ内側にあるバックルにとめることができるので邪魔にならない。

メインコンパートメントへの荷物をあまり入れない時はこのロールトップモードにすることでバッグを小さくすることができ、サブポケットへのアクセスもしやすい。


また、前述したロールトップモード時に使うマジックテープ付きのフラップや、ロールトップの機能等をうまく活用すると、バッグに収まらない三脚等の長尺ものや、複雑な形状のものを固定して運ぶことができる。アイデア次第でいろいろなものを運搬できる便利なメッセンジャーバッグだ。


ここらでちょっと背負ってみよう。モデルの身長は165cmのホビット族。

成人男性としては小柄なこともあるが、やはりなかなかの大きさのメッセンジャーバッグだ。より大きな「The Shed」の場合、体格や体力も考えて購入したほうがいいかもしれない。

本製品であるThe Rummyの場合だと、ギリギリ許容できるサイズだ。荷物は多く入るので、急な買い物を頼まれた荷物を頼まれた際でも気にせずブチ込むことができる。


ロールトップモード。荷物があまり多くない場合は、こちらのほうがスッキリとしたサイズに収まる。


前面。肩紐がシートベルト仕様なので、大切な衣服も傷つけずに非常に助かる。マグフォースのようなミリタリーテイストのモデルだと、非常に強力なナイロン素材を用いている反面、ザラついた表面のおかげで、使っているうちに衣服が傷ついてしまいがち。

ショルダーパッドが分厚いとは言え、どうしても片方の肩に荷重がかかるメッセンジャーバッグなので、荷物を多く入れてたり、長時間の使用は、肩にかかる負担が大きい。自分の体力と肩に相談しながら使ってもらいたい。

さて、ここからは各コンパートメントの紹介に移ろう。


まずはこの人間を丸呑みにしかねない大口を開けているメインコンパートメントからだ。開口部は横いっぱいにガバっと開いており、大きな荷物もポイっと入れることが可能。何も考えず荷物を入れることができる。

実際に成人男性が、両足を余裕で入れることができる開口部である。

内張りの白い素材は、分厚く頑丈なビニールがメインの複合素材であり、高い防水能力に一役買っている。この方式だと、バッグ表面に防水処置を施したタイプと違い、長年に渡って防水効果が長持ちする


フラップで閉じることができ、バックルで固定さえしてしまえばとりあえず荷物は落ちないので、最大でこの程度の高さまで容量を増すことができる。バックルの紐の長さは柔軟に調整可能。


試しに、2リットルのペットボトルが、フラップが閉じることができるという条件でどれくらい入るのか頑張って入れてみたら、なんと9本も入れることができた。

当然メッセンジャーバッグで、2Lペットボトル9本分も運搬するのは、大柄な人間であれかなり無理がある。とは言え、メインコンパートメントだけでこれだけの容量があるのは非常に心強く、薄手の布団や多くの衣服を詰めるといったことも可能なので、コインランドリーへの行き帰りも可能だろう。

ただ、メインコンパートメントには内部がコンパートメント分けされているわけでも、ポケットも一切無いので、細々としたものを入れるにはバッグインバッグやポーチ等を利用した方が便利だろう。


次は内部ジッパー式コンパートメントだ。アクセスする表面部分のジッパーはYKKの止水ジッパーになっているので、この部位が露出するロールトップモード時の雨でも安心だ。


止水ジッパーを開けると、さらに二つのジッパーが見え、4つのコンパートメントに分かれている。

まず前面部分に近いジッパー付きのコンパートメントは内部で二つに分かれており、それぞれに大型拳銃1丁、またはAR15系の弾倉3つと大型拳銃の弾倉4つが入る大きさが確保されている。


その下の中段コンパートメントには、大型拳銃用の保管ケースが、その下段のジッパー式コンパートメントには、タフネスカバーを装着した12インチの大きめのタブレット端末が入り、このコンパートメント群だけでもかなりの容量がある。


最後に二つのクイックアクセスカーゴポケットを紹介しよう。裏地にメインコンパートメント同様の防水処置がされたフラップを開けると出てくる。

このフラップはマジックテープでとめられている。高品質なものを使用しているみたいで、6年使ったが、マジックテープがヘタレた感覚はほとんどない。

フラップ裏側に付いているバックルは、前述したロールトップモードの際に、メインコンパートメントのバックルをとめるのに使用するもの。


内部には、大型拳銃もしくは、B6サイズの単行本が3冊入る。どのコンパートメントをとっても多くのモノが入るバッグだ。


さて、大容量のコンパートメント群はわかったが、もう一つ気になるのは高い防水性能とやらがどの程度まであるのかということだ。と、いうことで各コンパートメント群に新聞等を入れて放水してみよう。

メインコンパートメントには朝日新聞、止水ジッパー式コンパートメントには産経新聞を入れてみた。どちらも、大変愉快な内容が書かれているオモシロ新聞なのでオススメだ。

クイックアクセスカーゴポケットには折込チラシを挿入。


そして水撒きホースのシャワーとジェット放水で3分以上水攻めを行った。

完全水没は構造上耐えれないとは言え、上からだけでなく、側面からも容赦なく放水。そして、たらいの中で水は溜まっていくので、底面もどんどん浸っていく。

しかもバッグは新品ではなく、6年日常や通学等に使ったお古な状態。さて、どうだろうか?


結果、メインコンパートメントと止水ジッパー式コンパートメント内の朝日新聞と産経新聞はまったくの無事で、パリッパリッのままであった。愉快な文字の羅列も健在だ!

カーゴポケット内の折込チラシに関しては、裏面に防水処置がされているとは言え、フラップのみなので、表面の2枚ほどが少し濡れていた。だが破れたり、グチャグチャに溶けるほどではないので、普通にめくることができ、晩御飯の食材選びには問題なさそうだ。

このバッグの防水性能は折り紙付きだ突然のゲリラ豪雨でも安心して物を運搬することができるだろう

Conclusion | 総評


学生時代、とにかく教科書や参考書が多く、そこにノートを取るためのタブレット端末等を入れることができ、更に帰りに買い出しに出ることができる。通学は半分車、半分自転車なので、雨風に耐えれる防水性も必用だ。そんな要望の中で選んだのが、MISSIO WORKSHOP社のThe Rummyだ。

急に荷物が増えたとしても、物ともしない大容量を誇り、バケツを引っくり返したような大雨に見舞われても、中の物にはドライなまま。非常にビッグでタフなメッセンジャーバッグだ。ここまでの性能を持っていながら、2万円前後で買える価格も魅力的だろう。ニューヨークの街中を縫うように走り抜ける、ちゃりダー達の意見が反映された素晴らしい製品である。

ただ、メッセンジャーバッグが故、肩にかかる負担は大きい。背負った状態での物の取り出しやすさは犠牲になるが、同じような大容量と高い防水性能を持ちたかったら、同社の容量を拡張できるバックパックである、「The RAMBLER」や「The VANDAL」も良いかもしれない。