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ジャンル:バックパック

低価格で多用途に使えるタクティカルなバックパック

執筆時期:2019年12月

SPECS | 性能諸元

メーカー名(メーカー国・製造国) JME(日本・中華人民共和国)
サイズ(横×縦×奥行き) 46×27×20cm
重量 約1500グラム
価格 6500~7000円

使い勝手の良いお手頃バックパック

某国防組織に入った際、みんなが身銭を切って購入する物の中にバックパックがある。少ない給料の中でバックパックを買う理由は、適度な大きさのバックパックが官品として支給されないからだ。背嚢は日常使いや、ちょこっとした任務には大きすぎるし、かと言って雑嚢はちょっとそこらにピクニック程度の物しか入らない。故にほとんどの人は、基地内の売店か通販、先輩のお下がり等から適度なものを見繕う。その他必需品とも言えるものが意外と支給されず、最初のうちは金があらぬ方向に飛んでいくものであった。


私も当時、ブラックホークの3Day バックパックを使っていたが、海外での実戦経験を積みたいと辞めた際に後輩に譲った。時が経ち、今また古巣に携わる仕事の都合上、手頃な大きさのバックパックが必要になったため、JMEのバックパックを購入した。それが今回紹介するJME 102だ。

JMEJapan Military Equipment)は、主に自衛隊に関連する個人装備品や日用品を販売しており、様々な駐屯地の売店でも多く見かける。そのため、製品の大部分は陸上自衛隊が採用している二型迷彩のカラーばかりだ。

このバックパックは、MOLLEシステムやコンパートメントを多く搭載した仕様のシリーズで、大きさも大(JME 191)中(本製品)小(JME 101)と用途や好みに合わせて幅広く選ぶことができる。

ショップによって、デラックスアサルトパックだの、ミリタリーパックだの後に続く名称が定かではない。JME 102という名称だけなので、おそらくわかりにくさを考えて、後の名称はショップで付けているのではないだろうか?


本製品はその中でもミドルクラスに相当し、サイズは46x27x20cm。一般的な3Dayバックパックよりも一回りほど小さいサイズだ。

外装部の随所にPALSウェビングが設置されているので、拡張性は高い。

各所のベルトとバックルが付いており、荷物の容量に合わせてボディを絞ったり調整可能だ。


身長172センチのモデルに背負ったもらうとこんな具合だ。

ある程度物が収容でき、大きな訓練や任務等で使用する以外にも、ちょこっとした移動時等でも使える無理のない大きさだ。


背面パッド及びショルダーストラップの裏面にはメッシュ素材が使われており、通気性を向上させている。

ショルダーストラップにはD環等、オプションやガジェットを多く取り付けることができる。ハイドレーションシステムの吸引チューブや無線機の受話器や配線を取り付ける際にも役立つ。

背面パッドは二重構造になっており、ベルクロのフラップを開けると、ガバっと物が入る。特に薄手の物を入れるのに適しており、地図やハイドレーションシステムを入れてもいいだろう。


チェストストラップやウエストベルトも当然着いているので、フィット感を高め負荷を軽減してくれる。

チェストストラップにはベルト部の途中にゴム紐が内蔵されており、フィット感が増す。

ウェストベルトには端末処置用のゴム紐の輪がかけられているので、ダラダラとベルトが垂れるのを防ぐことができる。


底面にもバックルとベルトが装着されている。ここにも端末処置用のゴム紐がある。


メインコンパートメント頭頂部には十字の切れ込みが入れられている、面ファスナー(マジックテープ)付きのフラップが左右にある。ここから、ハイドレーションシステムの吸引チューブや、無線機のアンテナ等を出すことができ、便利だ。


メインコンパートメントはサイズ以上によく入る印象だ。中はベルトやバックル等があり、内容物がゴチャゴチャミックスしないように留めておくことができる。


反対側にはジッパー式の大きなポケットがあり、30.5×24.5×2.7cmの図鑑も入る。私はここによく防水処置用の袋やジップロックを詰めている。


メインコンパートメントそのものには、2リットルのペットボトルが4本入る。無線機等を入れてもまだまだ余裕だ。このバックパックで災害時に、孤立した集落に水と食料を運んだこともある。

とは言え、3Dayバックパックほど物が入るわけではない。本体と離れて敵情偵察任務などに出る場合だと、装備にもよるが、1夜2日~2夜3日程度が限界だろう。


銃器だと、少し頭頂部が突っ張ってしまうが全長50cmのP90サブマシンガン程度なら収納可能。


中段のサブコンパートメントには2リットル2本、1リットルの容器が1本入る。もちろんこれは、メインコンパートメントに2リットルボトルを4本を入れた状態で無理なく入る。

背面には2層構造の小物ポケットがある。外側のポケットはメッシュ素材だ。


表層部には上下にわかれてコンパートメントがある。上段はオークリーのような大きめのサングラスポーチもスポッと入れれる。


下層にはペン差し等の小物ポケットが多くあるコンパートメント。500mlのペットボトルなら3本程度入る容量。


私はここには、衛生用品や救急医療キットを詰め込んだメディックポーチ(CONDOR MA41)を収納している。

Conclusion | 総評


このバックパックの価格は6500円前後と、この手のバックパックの中では低価格だ。

2年程度、大きな訓練や災害援助等で酷使してきたが、今のところ目立った不具合は、ジッパーのストラップホールが割れた程度。

数万円するような本格的なタクティカルバッグには敵わないが、低価格でそこそこ使え、職務上二型迷彩カラーが好ましいバックパックが欲しい場合は買いだ。