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ジャンル:ガスマスクポーチ

ガスマスク携行用に開発された大型のレッグポーチ

執筆時期:2019年11月

SPECS | 性能諸元

メーカー名(メーカー国・製造国) High Speed Gear(アメリカ合衆国)
サイズ(横×縦×奥行き) 25.4×30.48×10.16cm
重量 454グラム
カラー ブラック、コヨーテブラウン、マルチカム(本製品)、OD、ウルフグレー、マルチカムブラック
価格(購入価格) 81ドル(2018年75ドルで購入)

邪魔な防護マスク入れの打開策として


官品装備に関しての不満は多い。その中でも我慢し難い物の上位に防護マスク入れがあった。Type 00 パーソナルディフェンスイクイップメントに含まれているもので、昔ながらの肩掛けバッグタイプのものだ。横長のバッグが腰回りに来るので、移動時や弾倉等の装備品を取り出す際に邪魔で邪魔でしょうがない。だからと言って背中側にまわすと「状況ガス!」が起きた際に即取り出せないし、バックパックを背負っていると邪魔になる。ちょっとした裏技で肩掛け紐と腰紐を利用してレッグポーチのように装着することもできるが、これだとガバっと開くフタが前方に面し、藪こぎ等での不意な開閉で中身が全て出てしまいかねない。

いや、そもそもガスマスクそのものが邪魔なので持ち歩きたくもないのだが、NBC兵器の類は近年の紛争地域等でも使用されているため、そうも言ってられない。

お上によっては、諸般の事情で官品を使用しないとダメだ!!と言う人もいるだろうが、私は直談判の結果、ハイスピードギア社(HSGI:High Speed Gear)のガスマスクポーチ V2を使用してみることになった。

日本でこそ、ガスマスク入れの需要なぞほとんど無いのかもしれないが、欧米だとHSGIだけでなく、Blackhawk、Uncle Mike、Condor、Voodoo Tactical等の大手の軍・警察系装備品メーカーやアウトドアメーカーが販売している。デモや暴徒鎮圧だけでなく、サバイバリスト等の需要があるとか。


数あるガスマスクポーチの中から、HSGIのGas Mask Pouch V2を選んだ理由はまず容量の大きさにある。500mlのペットボトルが6本も入る

防護マスク単体を持ち運ぶ時もあれば、付属のマスクフードを装着して携行する場合、小さめのポーチだと入らなくなる。本製品ほどの大きさであれば、スルッと入れることができる。


開口部はガバっと開き、出し入れがしやすい。

ポーチ内部にはマジックテープで留めれるポケットもある。検知紙や小物を入れるのに良い。

カラーは多数ある中でマルチカムを選択。


ただ、奥に行くにつれてすぼまっていく形状なので、ドラムマガジン等の幅広い物を入れるポーチにしたい人は留意しておいてほしい。開口部の大きさは21×12cmくらいで、底部は約12×10cm。

ポーチのサイズは25.4×30.48×10.16cm。

開口部は樹脂製バックルだけでなく、マジックテープでも留めることができる。付属でマジックテープのループ側のみも付いているので、音がバリバリとうるさいのが嫌な場合は封印できる。

底部にはモールスロットも付いているので、装備の拡張も可能。ただ、本製品はレッグポーチとしての設計なので、あまりゴチャゴチャ付けると行動に支障が出やすい。


裏側はゴム紐のレッグベルトと、ベルトや弾帯等に装着するためのマジックテープの留め具付き。

レッグベルトには滑り止めが付いているので、行動時にユサユサと暴れにくくなっている。とは言え、どうしても足に装着する以上は歩いたり走ったりした際の遠心力である程度動く。

底面には水抜き穴が一つある。


肩掛け用の紐が装備されているのだが、収納はおろか長さ調節すらできないので、私の運用上はあまり役に立たないので取り外している。


このポーチを導入し、防護マスクが腰から太もも付近に移動してくれたおかげで、弾倉交換の際も腰回りの弾倉ポーチへのアクセスがしやすくなり、移動時の煩わしさも大きく軽減された。なんでもっと早くこれを導入しなかったのかと、悔やまれる。


バックルを外せば、ガバっと開口してくれるので取り出しやすい。ちゃんと練習すれば、8秒タイムリミットの装面動作もクリアできる。

また、官品と違ってマジックテープを封印すればバリバリと音を立てて取り出すこともなく、隠密行動の阻害にならない。

とりあえず1年半ほど訓練等で使用したが、大きな不具合や破損等もなく非常に役立っている。