REVIEW >> GOOD LIFE GOODS| その他人生の香辛料
ジャンル:財布・ウォレット
まるで古書のようなイメージを彷彿とさせる個性的なデザインながら、便利な機能が満載され、実用面でも役立つm+を代表するお財布。
執筆時期:2018年5月
SPECS │ 性能諸元
メーカー名(メーカー国・製造国) | m+(日本) |
サイズ(横×縦×高さ) | 110mm×85×25 |
カラー | black、cognac、tabacco×beige、tabacco×choco(本製品)、grigio、napoli、blue、sabbia、navy、rose |
重量 | 100グラム |
構成素材(外装:内装:裏地) | イタリア製タンニンなめし革:ピッグレザー:綿 |
価格 | 14000円 |
個性派デザインと機能性を両立させたオシャレクールなお財布
私は長財布があまり好きではない。長財布至上主義者の意見は置いておくにしても、サイズがどうしても大きくなるし、何よりもデザイン性に乏しいことだ。長財布の形状はどのブランドもだいたい決まりきっている。最終的な話題は、どこそこのブランドでどこそこの革を使っているという話に落ち着く。冗談ではない。ユニークなデザインや面白いギミックを持ち合わせているのはだいたい二つ折り財布だ。このように、なにかにおいて奇をてらったモノばかり探し求めているので、私の財布の中身は寂しいのだろう。
さて、事の発端は4年くらい前に財布を更新しようと思ったことにある。実は前任のお財布は、恥ずかしながら中学時代から延々と使い続けていたコンバースだかのスポーツブランドのものであった。今思っても、何であんな財布を長年何の疑問も持たずに使っていたのか謎である。メインコンパートメントのファスナーがとうとう壊れた際にようやく魔法が解けたような感じで後任者選びとなった。
例によって財布選びは難航に難航を極めた。ブランド、国、素材、そして長財布や二つ折り財布を問わずありとあらゆるモノを調べ、私の少し捻くれた感性に訴えかけてくれるものを探し求めた。そしてようやく引っかかったのがm+(エムピウと読むらしい)というブランドの二つ折り財布だ。
m+は、元建築士の村上雄一郎氏が立ち上げた異業種からの革製品ブランドで、他の革製品ブランドには無い個性豊かでユニークな製品を数多く展開している。そのm+の看板商品とも言えるのが、現在私が愛用している二つ折り財布のmillefoglieシリーズだ。購入したのは、その2世代目のmillefoglie Ⅱ P25である。
●まずこの特徴的な外観をご覧いただきたい。財布を留めている二つのギボシがポチッと出ているのが何とも可愛らしい。このギボシは、外装の革同様に使い込んでいるとよく手入れされたアンティーク家具のように落ち着いた輝きを放つようになる。
●色は暗い色から原色に近い明るい色まで多数出ているので、個々人の好みのカラーがきっと見つかるだろう。私はtabacco×chocoという色をチョイスした。
●側面を見ると、ミルフィーユのように幾重にも折り重なった内装に目を引かれる。
→製品名の「millefoglie」とは、イタリア語で「1000の紙葉」という意味がある。(millefoglieはノコギリソウのイタリア語でもある。)
●このような外観なので、まるで革表紙でできた古い洋書のようだ。私はこのオシャレなイメージが琴線に触れ、購入するに至った。
●化粧箱もシンプルで落ち着いているので、老若男女問わずプレゼントにしてもいいだろう。
●サイズは手のひらにポンと収まる大きさだ。厚さは25mmタイプ(本製品)のP25と、より多くのカード等が入れられる30mmタイプのP30の二つのラインナップがある。
●外装の素材は、イタリアのバダラッシィ・カルロ社のタンニンなめし牛革で、豊かな発色とスルリと滑らかな手触りが心地よい。経年によって光沢や深みが増す傾向があるので長く楽しむことができる。
→この財布はカラーバリエーションによって革のチョイスも違う。roseやnavyは同じくバダラッシィ・カルロ社のミネルバボックスを採用。細かなシボと落ち着きがありつつも、豊かな発色が特徴的だ。また、blueではイタリアのワルピエ社ブッテーロレザーを使用。クセのないサラッとした手触りに、クリアで落ち着いた発色が良い。このような違いにこだわりを感じる。
●まずお財布を開けると、カードケースを兼ねている札バサミに目がつく。
●これは2世代目のmillefoglie Ⅱからの機能で、日常的によく使うICカードやクレジットカード等を1~2枚入れておけるようになっている。
●札バサミを開くと、お札がピョコンとフリップアップしてくる。この機能が実に使いやすく、取り出したいお札にすぐアクセスすることが可能だ。これは一度ハマると側面からアクセスする普通のお財布に戻れなくなる。
●お札が入る容量は、最大で10枚前後が実用範囲である。
●このように、このお財布は層を成して折り重なった内装を、一枚革で巻き止めた、巻きずしのようなお財布なのだ。内装のベージュ色の素材はピッグレザーで、お札やコイン等の汚れが付きやすい裏地は綿でできている。
●このお財布の目玉とも言える便利機能は、この三段構えのカード収納能力だろう。公式での収納能力は15枚程度だとなっているが、20枚~35枚程度は入れることができる。クレジットカードやポイントカードを多めに持ち歩く人には良い選択肢だろう。
→もっともっとカードを入れたい!という人はP30を選べば良いだろう。公式で30枚入るのであれば、40枚以上は入れることが可能だろう。
●カード収納棚の下は小銭入れとなっている。展開させると、このように箱型になり、いまどれだけの小銭があるのかひと目でわかる。
●電子決済サービスやカード払いが主流になりつつある世界だが、庶民にとって小銭の必要性はまだまだある。これならレジ待ちで後の客をイライラさせることなくすばやく必要な小銭を取り出せる。
●小銭の容量は大小15枚程度が理想だが、25枚くらいなら入る。ただ、あまり入れすぎると財布が不格好に膨れ上がるので注意。
●この財布を使って4年以上(2018年現在)は経過しているが、ほころびや破損は一切無い。結構ラフに使ってきたが、デザイン性や利便性だけでなく、耐久性も悪くないようだ。可愛くて有能なお財布だ。実に気に入っている。m+の看板商品であり、10年以上のベストセラーとなってる理由がここにある。
→このコンセプトで長財布が欲しい方は、同社からLoYenという長財布がある。こちらもカードは45枚以上、お札は100枚以上、小銭も50枚以上と大容量とスタイリッシュさの両立を考えた財布になっている。