REVIEW >> GOOD LIFE GOODS| その他人生の香辛料

ジャンル:帽子、ウェスタンハット、カウボーイハット

見事なカーブを描いたツバを持つウエスタンハットは、あるようでなかなか見つからない。苦心して探した一品がこちらだ。

SPECS | 性能諸元

メーカー名(メーカー国・製造国) CONNER HATS(アメリカ合衆国・パキスタン)
ブリム(ツバ)の幅 6.9cm
クラウン(頭)の高さ 9.5cm
素材 バッファローハイド(水牛革)
サイズ S・M・L(本製品)・XL・XXL
カラー ブラック(本製品)・ブラウン
その他特性 形状記憶、耐水性、UPF(衣類の紫外線防止指数)50+、アゾ染料及びホルムアルデヒド不使用
価格(購入価格) 48ドル(2015年、米国にて45ドルで購入)

理想の「カタチ」を追い求めて

「~を思い浮かべてくれ」というと、テーマは同じだが、個々人で違う形や色のモノを思い浮かべることがある。最初に見たもの、幼いころにみたもの、インパクトに残ったもの等や、それらが混ざりあったものが、頭の中のイメージとして出て来るものだ。それは、自分にとって理想のものも然りだろう。

私は以前から、自分にとって理想のカウボーイハットを探していた。

○革製である。

○ブリム(帽子のツバ)の前後は垂れ下がっている。

○ブリムの側面は跳ね上がっている。

○クラウン(帽子の頭)の頂点が楕円形に凹んでいる。

○クラウンの高さがそこまで高くない。

と言った条件である。最後の条件に関しては、私の頭が長細い形なので、クラウンが長いタイプの帽子だとバタールに手足が生えたような新種生物になってしまうからだ。こんな理想形になったのは、幼い頃に見ていた西部劇の影響や、ヨセミテ国立公園に観光に行った際にとあるパークレンジャーがかぶっていたカウボーイハットが、こんな感じでかっこよかったからだ。と、いうことで理想のカウボーイハットを探したが、そもそも日本国内ではあまりカウボーイハットが売っていない。良さそうなものがあっても、なかなかのお値段だったりする。このような愚痴を友人に語ったら、そもそも日本人にカウボーイハットは似合わない。胴長短足のお前なら尚更だと言われた。大きなお世話であるし、そんなことは百も承知だ・・・。


こうやって捻くれながらも徒労の末に見つけたのが、このCONNER HATS社の「DOWN UNDER LEATHER HAT(ダウンアンダーレザーハット)」である。CONNER HATS社(コナーハッツ)は、アメリカフロリダ州に拠点を持つ、オーストラリアンな帽子を作っているメーカーだ。製品名にある、DOWN UNDER(ダウンアンダー)は、欧米等の北半球に住む人から見た、南半球、特にオーストラリアやニュージーランドのことを指す。


こちらは後方から。ご覧くださいこの見事なカーブを。まさしく私が求めていたカーブがこれである。周囲をぐるりと囲む編み込んだ紐や、落ち着きながらも良いアクセントとなっている、くすんだメダリオンが良い。紐の端末は、少々出来が荒いが。


側面から。特に、この前後のブリムの垂れ下がりがなかなか見つからないのだ。ブリムの幅は6.9cmと、短くも無く邪魔にもならずと良い長さだ。


前面から。側面の跳ね上がりも見事だ。クラウンに関しては、楕円形に凹んでいるものがよかったが、流石に全ての条件を満たすものは無い。そもそも、この帽子の値段は日本円で5000円程度だ。十分満足である。


クラウンの両側面には通気性を良くするためのベンチレーションホールが設けられている。革の帽子なので、どうしても夏場は蒸れて熱がこもりがちになる。良い計らいだ。


帽子の内側。この帽子のウリが列挙されている。素材はオーストラリア製のバッファローハイド(水牛革)を使用しており、重厚で頑丈な作りだ。ある程度の形状記憶性能もあるので、誤って潰してしまって泣きを見ることも少ない。帽子に置いてこれはけっこう重要なポイントだ。特に私のような雑にモノを扱って、おっちょこちょいな人には。

また、耐水性もコーティングにより施されているので、少々の雨でも安心だ。とは言え、革製品であることに変わりはないので、塗れたり汚れたりした場合は、革製品保護用のオイルやクリームでメンテナンスはすべきだ。


両側面には、チンコード(帽子のあご紐)用の穴が設けられている。ブリムが広めの帽子は風で飛ばされやすいので、必須だろう。私はここに自作のレザー製のチンコードを装着している。


実に良いデザインで、求めやすい価格のカウボーイハットだ。この帽子をかぶり、コートを着て、リボルバーや散弾銃を持てば、エンニオ・モリコーネの曲が聞こえてきそうだ。