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ジャンル:ポケットナイフ
私が初めて購入した思い出のナイフが、小さいながらも気品のあるガーバー社のトレンディーである。
執筆時期:2017年9月
SPECS | 性能諸元
メーカー名(メーカー国) | Gerber Gear(アメリカ合衆国) |
全長(刃渡り) | 12.2cm(4.62cm) |
重量 | 34グラム |
素材 | ナイフ:ハイカーボンステンレス
ハンドル:ステンレス、ペアウッド |
カラー | ブラック(本製品)、シルバー |
価格 | 34ドル |
小さな切れ者
昔から私は、刃物そのものへの興味はあったが、実際に刃がついた得物はまったく所持していなかった。日々の訓練や研究は、基本的には木刀やトレーニングナイフで事足りるものだと当時は思っていたし、臆病な私は鋭利な刃物を持つことに何となく抵抗があった。そんな私も大学生となり、一人暮らしを始めると、何かと日常生活における包丁とハサミ以外の刃物の有用性を理解するようになった。デスクワークでパッと使えるようなナイフは無いものか、といった感じで購入したのがこのGerber社のTrendyだ。
色はブラックとシルバーがあるが、ブラックの方はハンドルにペアウッド(バラ科の広葉樹)を使用しており、味のある印象を伺わせているので気に入った。シルバーはナイロン樹脂製のハンドルとなっている。
全長は12.2cmと小さく、ハンドル部分は7cm前後しか無いので、小柄な私が持っても小指が余る大きさだ。とは言え、ハンドル全体が手の形に合わせたアーチを描いているのでそこまで不便さは感じない。小さなナイフだが、フレームロック機構はシンプルで、弱々しさは感じない。切れ味はまぁまぁと言ったところか。あまりヤワな紙だと切りにくいと感じる。値段は日本でも3000円前後と少し割高であったが、気品のある存在で、満足感はそれなりにある。
折りたたむと人差し指程度の大きさになる。ブレード上部には細長のサムホールがあり、少し慣れが必要だが片手での開閉も可能だ。
裏側はマネークリップも兼ねた強力なクリップが付いている。こちらも手の形に合わせてなだらかな凹凸があり、グリップ性の向上に役立っている。
小さなデスクワークの友だ。初めてのナイフであり、初めて研いだナイフもこのトレンディーだ。今も下手くそだが、当時は試行錯誤であったナイフ研ぎの実験台になったナイフなので、刃がだいぶナマクラになってしまっている。思い出のナイフである。当時、このデザインのおかげもあって、人気が高いナイフだったため、他社も同じようなデザインで真似をしたほどだ。