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ジャンル:マグポーチインサート

お手持ちのふにゃふにゃナイロン製マグポーチに挿入し、樹脂製マグポーチのようにシャキッとマガジンの出し入れ容易になる便利アイテム。

執筆時期:2017年9月

※1:89式小銃用弾納への挿入に関して追記(2018年4月)

SPECS | 性能諸元

メーカー名(メーカー国・製造国) Esstac (アメリカ合衆国)
対応弾倉タイプ 7.62mm小銃用、5.56mm小銃用(本製品)、拳銃用(本製品)
材質 カイデックス
サイズ(縦×横×底面奥行き) 5.56mm小銃用:13.2×6.3×2.2cm
拳銃用:9×3.1×2.8cm
価格:購入価格 7ドル(5.56&7.62mm用)・4ドル(拳銃用):1000円・600円

ナイロン製の柔軟性と樹脂製マグポーチの即応性

私は今までHSGIのTACOマグポーチを使っていたが、度重なるマガジンの脱落に嫌気が差していた。という事でマグポーチを新調しようとしたが、その選定は予想以上に困難をきたすものだった。もう何回も聞いたかもしれないが、ナイロン製のマグポーチは柔軟性があり、耐久性も高いが即応性に欠ける。かと言って樹脂製マグポーチは、即応性は良いが柔軟性も無く破損が怖い。そのマグポーチに合った弾倉以外を入れれないのも問題だ。どうしたものかとネット上を漁っていたら、どうにもマグポーチ内に入れるインサートなるものがあることがわかった。それどころか、ナイロン製マグポーチに最初からインサートをセットして販売しているメーカーも何件か散見されるほどだ。

気になったので、Esstacというメーカーのインサートをいくつか購入してみた。樹脂製の簡素なインサートで、それこそダイソーで売れそうなレベルだ。ラインナップは、M4やAR-15と言った5.56mm系の弾倉に対応した5.56 KYWI Insert、M14やG3と言った7.62mm系の7.62 KYWI Insert、拳銃用の Pistol Kywiの三種類だ。それぞれ2個セットで販売されており、値段も10ドル以下で手に入る。私は5.56mm用と拳銃用を購入した。


形状はY字状で、マグポーチに入れた際には砂時計型になり、マガジンにテンションが掛かる設計だ。底部には水抜き穴があり、両側面はベルクロ(オス)が貼られている。マグポーチ側にベルクロ(メス)を縫い付ければ、マガジンを抜いた際にインサートごとスッポ抜けるという事態を防げる。

ちなみに、同じようなインサートは、タクティカルインストラクターとして有名なトラヴィス・ハーレー氏が設立した会社、Haley Strategic Partnersから「HSP MP2 Rifle Magazine Insert」として販売されている。こちらは、ベルクロは貼られてないが、MOLLEシステムのスロットルに入れ込めれるように上部に突起が付いている。また、Pマグのような凹凸のあるマガジンの引っかかりを向上させるために内部にかえしが付いている。各々の装備や戦闘スタイルに合わせて買っていただきたい。


とりあえず手持ちのマグポーチに入れようと、コンドル製のMA55 Triple Kangaroo Magpouchに入れてみた。が、ここで問題が発生した。キツすぎるのだ。マガジンを入れるのも抜くのも往生してしまう。特にこのような、ピストルとライフルのマガジンを抱き合わせで入れるようなタイプはよりキツキツだ。


これはマイッたと思い、今度はTACOマグポーチに入れてみたが、マガジンを固定する前後のテンションは増したが側面は無くなって、あまり効果が無い。


はてどうしたものかと考えた結果、通常の5.56mm用のものより少し大きめの弾倉を入れるマグポーチに挿入すればバランスが取れるのではないかとひらめいた。と、言うことでタスマニアンタイガー製のG36用のものを購入して入れてみた。この目論見は的中した。弾倉にユルくもなく、キツくもないベストなテンションが与えられた。Pマグでも通常のアルミ製マガジンでもちょうどいい。スチャっ!と素早く抜いたり戻すことができ、かと言って逆立ちしたり前回り受身程度でスッポ抜けるほどガバガバではない。おそらく、7.62mmタイプのマグポーチでも同じような感じになると思われるので、5.56mmタイプのインサートを使う方はこの方法をオススメする。このタイプだと、適度なテンションも得られるし、急な武器変更時にもマグポーチを変えることなく柔軟に対応できる。

※1:→ちなみに、弾倉を取り出しにくい89式小銃用弾納にはシングルタイプでも無理なく挿入することが可能だ。これで弾納の蓋を裏返したオープン状態で飛んだり跳ねたりしても弾倉をしっかり保持してくれる。ただ、このマグポーチは弾倉上部まで覆われているタイプなので、適度にテンションがかかるこのインサートを挿入した場合は少々取り出しにくくなる。その場合は弾倉にマグプル等を装着させて取り出しやすくする工夫をすることをオススメする。


拳銃用は5.11 Tacticalのバンジーコードとフラップが両方付いたユニークなものを購入した。どうしても不安な場合や行軍やパトロールをする際はバンジーコードを引っ掛けることができ、フラップもあるのでアイデア次第でいろいろと使い道が生まれる面白いマグポーチだ。マグポーチ内部の前後両面にベルクロが最初から縫い付けてある点も都合が良い。

さて、拳銃用のものはやはり普通に入れるとキツすぎると感じることもあるだろう。その場合は、ポーチ内部に何か固形物のようなものを入れて、底上げするとテンションを調整できる。ちなみに、私はレゴブロックを入れている。うまく調整すると、これも程よいテンションを得ることができ、少々暴れてハシャいだ程度ではマガジンは抜け落ちない。TACOマグポーチではこれは実現できなかった。

また、どうしても理想のテンションが得られない場合はインサートをライターやコンロ等で炙って曲げて再形成することで調整できる。火傷や火災には注意を。


全てを装着するとこんな感じだ。ナイロン製ポーチとは思えないほど使いやすく、即応性を得ることができる。マガジンの脱落の心配もTACOポーチと比べて大幅に減少して精神衛生上も良い。TACOマグポーチを装備している時は、訓練中に事ある度にマガジンが落ちていないかと気になったものだ。