REVIEW >> ELECTRONICS & OPTICS| 電子・光学機器 >> FLASHLIGHT | 懐中電灯
ジャンル:フラッシュライト、ウェポンライト
ストリームライト社の長物用のウェポンライト、プロタック レイルマウントシリーズ。ライバルメーカーである、SureFire社の同ジャンル商品と比べると相変わらず格段に安価で入手できる。果たしてそのポテンシャルは?
SPECS | 性能諸元
メーカー名(メーカー国・製造国) | STREAMLIGHT(アメリカ合衆国・中華人民共和国) |
サイズ | 12.7cm |
重量 | 141.75グラム |
光量(点灯時間) | Lo:60ルーメン(21時間)
High:625ルーメン(2時間) |
使用電池 | CR123A×2個 |
防水性能 | プッシュボタンの場合:IPX-7(1メートルの水槽に30分沈めて使用上の問題なし)
リモートスイッチの場合:IPX-4(あらゆる方向からの水の飛沫に対し使用上の問題なし) |
耐久温度 | -40℃~120℃まで |
価格(購入価格) | 国外:100~110ドル(2016年に99ドル)
国内:20000~30000円 |
安価で使えるウェポンライト
SUREFIRE社のライトは高い。昔からだ。今でこそ情勢に押され、比較的入手しやすい価格帯のライトをラインナップに盛り込んではいるが、やはりウェポンライトの類は高い。もちろん、その分の信頼性は確かにあるが、ライトとしてはまだまだお固いシステムだ(言い換えればシンプル)。しかし、神様仏様はそんな私のような貧乏人にも、逃げ道を用意してくれているものだ。その逃げ道が、ストリームライト社である。昔からだ。とは言え、安かろう悪かろうを売るメーカーではない。SUREFIRE社ほどの、ガッツリタフとまではいかないが、ちゃんと実戦で使えるレベルの製品で、お値段は抑えている。また、SUREFIRE社には無い機能も盛り込んでいたりするので、INFORCE社やElzetta社というメーカーが増えたものの、STREAMLIGHT社は今も昔も、SUREFIRE社と並ぶウェポンライト、タクティカルライトメーカーである。
今回は、ストリームライト社のロングガン(ライフルやショットガンと言った長物銃器)向けウェポンライトである、ProTac Rail Mount 2を紹介しよう。まず、2という数字が入っているが、二代目という意味ではない。Rail Mount 1は、少し短く(10.8cm)、半分くらい暗く(350ルーメン)、使用電池が単3電池1本もしくはCR123A1本で駆動できる小型タイプだ。シュアファイアで言うとM300Cスカウトライトと言った位置づけだろう。これはこれで便利だ。コンパクトさはまぁ当然として、出力は落ちるものの、単3電池が使えるので手頃だ。しかも、この手のいろんな電池が使えるライトによくある、面倒な専用のスペーサーを付け加える等の手順はいらない。良いライトだ。そして、Rail Mount 2はその兄貴分に当たる感じだ。
前置きが長くなった。全体像と付属品はこんな感じだ。マット寄りの塗装で、ストリームライトらしくシンプルなボディに、リモートスイッチが伸びている。スイッチは普通の懐中電灯のようなプッシュスイッチも付いているので、スタンドアロンで使ったり、短めの銃器に設置する等のスタイルに合わせて付け替え可能だ。その他は、説明書にマウント用の工具と、コードを束ねるタイラップ、リモートスイッチをレールに設置するためのアタッチメント、そしてレールのない場所にスイッチを付けたい場合のテープ(3M製)が付属する。
説明書は多言語だが、イラストも何もない。ちょっと変わったスイッチシステムなので、そこら辺はわかりやすく説明があったほうが良いと思う。
電池はCR123Aリチウム電池を2本使用する。電池ケース内には信用あるメーカーの電池(自社・パナソニック・サンヨー・エナジャイザー)のみ使え、メーカーを混ぜて使うな、新旧の電池を使うなの注意書き。その割には付属電池はデュラセルだが、まぁ問題はない。
リフレクターというかレンズ部分は、新型TLR-1HLのような中央部分が白くモヤがかかったタイプだ。照射は例によって後ほど。
マウントは手回しネジ式の20mmピカティニーレール用のマウントだ。このマウントがどうも着脱の具合が悪く、くっつけばガツッとついてくれるが、スムーズな取り外しがしにくい・・・。ちなみに、この20mmマウントは付属の工具で外すと、SureFireのスカウトライトの専用マウントであるInline Scout mountが出て来る。これにより、サードパーティのインライン スカウト マウントと合わせればよりロープロファイルに銃器に装着することが可能だ。
スイッチは長物銃器でも取り扱えるようにリモートスイッチが標準装備されている。本体接合部は、コードに負荷がかかっても、断線や接触不良が起きにくいようにガッチリと止められ、尚且つ屈曲に強い構造になっている。スイッチにはボタンが2つあり、四角い出っ張ったボタンは半押しで押している間だけ点灯する間欠点灯、全押しで常時点灯のボタンだ。もう片方の薄くて細長いボタンは、間欠点灯専用で、基本的にはコレを使用する。また、スイッチ部はレールやネジ留めができるように、付属品も準備されているので、様々な銃器への取付けが可能だ。
このライトのモード切替はボタン素早く押すごとに「High←→ストロボ」のモードと、「Highオンリー」、「Low←→High」の3つのプログラムを選ぶことができる。このプログラムの変更は、ボタンを9回押した後に、10回目を全押しすることで切り替えれる10タッププログラミングで変更するシステムとなっている。多くのモードを備えているライトは、いかにそのモード切り替えをスマートに行えれるかに各社様々な工夫をしているが、これはちょっと微妙だ。私としては、TLR-1のように、2回素早く押してストロボ、普段はHighと言ったものや、FIRST LIGHT USA T-MAXのようにストロボボタンが独立している方が好みだ。変に複雑・面倒なものを使うくらいなら、SureFireのようにHighオンリーのライトの方が使いやすい。
また、リモートスイッチは例えSureFireであっても、線が伸びている以上、通常のプッシュスイッチに比べると耐久性や信頼性が落ちることは留意していただきたい。そういう意味でも、通常のプッシュスイッチも付属していることは嬉しい。これにより、銃器から外しても使いやすくなっている。プッシュスイッチのボタンシステムは四角いボタンと同じだ。
プッシュスイッチを装着するとこんな具合だ。短い銃器や使い方によってはこちらの方がやりやすい。
照射比較
公園にて照射を。80m先に反射板を付けたACU迷彩上着に照射。奥の森までは150mである。
今回は、本製品と同社のハンドガン向けウェポンライトのTLR-1HL、FIRST LIGHT USA T-MAXで比較してみた。何れも使用電池はCR123A×2個を使用。
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Rail Mount2は、他2つと比べると光の色温度が最も高く、視認性が良い。ACU迷彩に取付けた反射板も最もよく見える。一番奥までよく照らしているのはTLR-1HLだ。
Rail Mount2はスポット部が最も狭いが、かと言って照射範囲は特別少ないわけではない。ウェポンライトとしては十分実用的だろう。
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こちらは、Rail Mount 2のLoモード(60ルーメン)の照射画像。
長物用ライトとして
ハンドガン用のTLR-1HLは実に優秀だ。ハンドガンのみならず、長物用としても使用できる。しかも、この製品も値段が本製品のRail Mountシリーズより少し高いだけで、SureFireの同製品と比べると値段は半値に近い。となると、どうしてもこのRail Mountシリーズを購入するメリットが少なくなってくる。とは言え、TLR-1HLで、リモートスイッチまで一緒に購入すると、200ドルを超えてしまう。一方こちらは、ハンドガンには使えないにしても、100ドル前後で全てセットだ。値段を抑えつつ、自分の長物と夜を駆けるのであれば、良い選択肢だろう。