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ジャンル:フィクスドブレードナイフ、コンバットナイフ
カーショー社の上位ブランドであるゼロトレランス社。まるで暗殺者の短刀のようなナイフがこのシフターだ。
検証人数:2人
執筆時期:2017年10月
SPECS | 性能諸元
メーカー名(メーカー国・製造国) | Zero Tolerance(アメリカ合衆国) |
全長 | 約25.5cm |
刃渡り(刃厚) | 約12.5cm(約4.2mm) |
重量 | 232.5グラム |
ブレード材質 | 14C28Nステンレススチール |
ブレードコーティング | タングステンDLCマットコーティング |
価格(購入価格) | 179ドル(2014年海外店舗にて105ドル) |
シンプルで美しいデザインのコンバットナイフ
カーショー(Kershow)は値段を抑えつつも、使い勝手の良い製品を出す刃物メーカーだ。貝印の傘下に入ってからは、ナイフ以外のキッチンやガーデニング用品とラインナップの幅も広がっている。そんなカーショーには、ゼロトレランス(Zero Tolerance:許容誤差ゼロの意)と言う法執行機関やプロ向けの部門がある。値段は跳ね上がるが、より切れ味、信頼性、使い勝手を高めたモデルを多数販売している。
ゼロトレランスの製品は、どれもラインやアーチをうまく使った美しいデザインの製品が多い。今回紹介するこのシフター(Shifter)も、シンプルな短刀のようなデザインながらスラっと伸びていくようなイメージを受ける。
ブレードはスッっと伸ばしたようなクリップポイントタイプ。材質は14C28Nで、ハイクオリティーナイフ用に作られたステンレスクロム鋼だ。鋭い切れ味と高い硬度を持ちながら、耐食性も良好だ。タングステンコーティングも耐久性が良く、マットで落ち着いた質感を感じさせてくれる。
グリップはG10の樹脂製で、作りは良い。厚みは17mm、高さは28mmとなっており、私のような手が小さめの人にはもう少し細めの方が良いかもしれない。グリップ後部には打撃用のポイントが出っ張っている。
刃の厚みは4.2mm。グリップ前方と後部にセレーションが設けられており、順手でも逆手持ちでもグリップ力を高めてくれる。
シースは樹脂製で、革製のストッパーで脱落を防げる。ストッパー無しでも、適度なテンションがかかり、逆さにしても脱落することはない。
裏面はちょっと特殊なベルトシースが付いており、あまり使い勝手は良くない。まだテックロック等がそこまで普及してなかった頃のナイフなので、今となっては使いにくいだろう。また、シースに入れる際はちょくちょく内部で引っかかって入れにくい場合が多い。パッと見は良いシースなだけにこの点は残念だ。
順手持ち。このナイフはハンドガードが無く、フィンガーチャンネルもあまり凹凸の主張が無いタイプなので、順手持ちの場合は安全管理のためにもこのように親指を伸ばして、背部にあるセレーションに引っ掛ける持ち方が良いだろう。(Saber Grip:フェンシングのサーベルのような持ち方から)
私は基本的にナイフ戦闘にはあまり興味が無かった。格闘と同じく身体能力に大きく左右されるし、正面切っての戦闘スタイルをあまり好まない私はナイフを用いた訓練は基本だけ学び、武術の道場等で嗜む程度にしていた。そのため、ゴム製のトレーニングナイフは多数所持していたが、本格的な戦闘用ナイフは持っていなかった。
逆手持ち。25.5cmという長さは、短すぎて威圧感やリーチが少ないというわけでも、長すぎて重かったり携行性が落ちることのないちょうどイイ長さだ。グリップ後部の絶妙な三角形は逆手持ちの際のグリップ感を高めてくれる。(画像の刃先が所持者に向いた持ち方は、Talon Leadingとか言われてるちょっと捻くれた持ち方)
とある日、ひょんなことから本格的なナイフを用いた訓練に参加することになり、ちょっと良いナイフがあったほうが良いという判断からこのシフターを購入した。選んだ理由は…あまり深く考えず、飛び込んだ店でこのデザインに目がつき、気に入って購入しただけだ。
シンプルで美しく、どことなく所有欲を満たしてくれる良いナイフではあったが、それまであまり興味がなかった、ナイフ戦闘の現実を叩きつけるように教えてくれ、戦闘用ナイフとは何ぞや?と考えさせてくれるきっかけを与えてくれたナイフでもあった。少なくともこのナイフは私のスタイルには合わなかったが、その話はまたいずれ。
※追記1(2023年8月)
私のナイフ戦闘に関する考えを改めさせれたきっかけとなった訓練に関しては、下記のナイフのレビューをご覧ください ↓ ↓