REVIEW >> ARMS & TRAINER | 得物・訓練用品>> 訓練用品

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格闘やナイフ等の訓練で、一番有名なものは、ここCOLD STEEL社のラバートレーナーだろう。種類も豊富で、何と言っても1500円前後で購入できる求めやすさが魅力的だ。私も、今まで10本近く購入しており、武術等の日々の鍛錬で今でも愛用している。今まで愛用してきたのは上の写真の3種類で、上から

モデル名 全長 刃渡り 重量
MILITARY CLASSIC(ミリタリー クラシック)  305mm 178mm  91グラム
 LEATHERNECK(レザーネック) 290mm 170mm  116グラム
BLACK BEAR CLASSIC(ブラックベア クラシック) 330mm 206 105グラム

といった感じだ。他にもタントー型のRECON TANTO(レコン タントー)、ボウイナイフ型のLAREDO BOWIE(ラレド ボウイ)、M9タイプの銃剣型(着剣装置付き)、挙句の果てには洋斧、和斧型、メリケンサック付きナイフ型などなど、よりどりみどりやりたい放題である。

いや、そもそもこのコールドスチール社は社長からして、良くも悪くもあぁアメリカ人だなといった感じで、他トレーニング用品はもちろんのこと、実際に刃が付いてる製品も、まるで古今東西のビックリ刃物博物館でも作りたいのかと言わんばかりの、やりたい放題気の赴くままに作っていると言った感じだ。ここで私が千の言葉を用いたところで、この会社のアホっぷり(褒め言葉)は表現することはできない。ぜひ自分の目で、彼らのホームページやYouTubeチャンネルを見て欲しい。特にYouTubeチャンネルの製品紹介動画は最高の暇つぶしとなるだろう。と、知らない人が見ると半分バカにしているようにメーカーの紹介をしてしまったが、ナイフメーカーとしてはコストパフォーマンスに優れた良い物を作っているのも確かで、数々のナイフやアウトドアの賞も授与している、良い仕事をするメーカーでもある。

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さて、そろそろレビューに移ろう。
ナイフの外観は、ラバーで整形された各種ナイフの型に、少し光沢が出るようにコーティングされている。これは肌触りも良いが、ラバーの劣化を抑制する上でも役立っている。また、本物のナイフに少しでも近づけようと、各パーツの整形を細かくしている点もCOLD STEELの良い点であろう。ブレード部やベベルストップの起伏、ヒルトの反り、ハンドルのチェッカリングはちゃんとすべり止めとしての効果がある。(ちなみに、本来ブラックベアのグリップにはフィンガーチャンネルがあるが、邪魔なので切り取っている。)また、ストラップホールもちゃんと再現されている点も良い。この手のトレーナーは造形を簡素化している製品が多い中、たとえラバーであろうとリアリティを追求している点は素晴らしい。他社の同価格帯ラバーナイフで、BOKER社のアップルゲート トレーナーが有名だが、質感はCOLD STEELの方が上だ。ただ、丸みがあり、余計な突起が少ない分、アップルゲートの方が安全性は少し高いかもしれない。

IMG_3914ラバーの硬さは、その性質上、製品の全長が長い機種の方が柔らかくなる。故にブラックベアは他より少し柔らかめで、レザーネックは少々硬めだ。練習で突かれるとけっこう痛い。ナイフ本体にも注意書きされているが、目を守るゴーグル等を着用するのがベストだ。

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また、この手のトレーナーの応用的な扱い方だが、ブレード部にチョークや口紅を塗ると、練習でどこを切られたひと目でわかるので役立つ。チョークのノリが悪い時は、ブレード部に少し溝や刻みを入れると良い。

金属製の他社トレーナーに比べると、どうしても質感やリアリティ、重量の面では負けてしまうラバートレーナーだが、安全に訓練を行うことができ、力を入れたり、もつれ合ったりと言った事故が起きやすい状況でも、負担はだいぶ軽減される。日本でも、警察や自衛隊等の機関にはたいてい転がっているほどの良い製品で、今日も世界各国のツワモノ達が、己の技の練度を高めるためラバートレーナーを振っていることであろう。

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